June 28, 2009

東急時刻表の色づかい

東急電鉄各線が時刻改正された。

これに合わせ、各駅に掲出されている時刻表も、新しいものに替えられている。
今回は、時刻の数字が変わっただけではなくて、列車種別を示す色づかいが大きく変更された。

Tokyutimetbl

これは東横線武蔵小杉の下り時刻表である。富士通ColorDoctor2.0で変換してある。左上がオリジナル、右上が第一色覚(赤)、左下が第二色覚(緑)、右下が第三色覚(青)の人の見え方をシミュレートしたものである。

この線には、各駅停車の他に、伝統的に赤色で示されてきた急行と緑色の日比谷線直通電車があった。そこへ、近年になって特急と通勤特急という種別が増えている。もともと赤と緑の区別というのが配慮を要するものであったところへ、特急の識別色としてオレンジ色を導入したので、色覚バリアフリー的には好ましくない状況である。
これは、車両や駅ホームの案内装置に三色LEDを用いたドットマトリックスの文字表示をしていて、それが表示できる色が赤・緑・オレンジであることから、この三色を列車種別の区別にあてはめているということに関連し、仕方ないとも言える。そのため、時刻表だけ色を変えると案内面での統一性を欠いてしまい、わかりやすさに支障を来す。なかなか簡単ではないのである。

そして、今回の新しい時刻表を見てみる。多数派の「健常者」には、何だかごちゃごちゃした感じがするのだが、これはよく配慮されたものであることがわかる。
つまり、急行が赤文字で日比谷線直通が緑文字という基本は動かさない。その代わりに、急行にはオレンジの太いストライクスルーの線が入れられた。オレンジは優等列車のイメージであり、一般の利用者にも違和感がない。これに対し、日比谷線は緑の文字に黒いアンダーラインが入れられた。
特急には、優等を表すオレンジの背景色が入る。これでわかるので、文字は黒である。ここで文字が赤だと、コントラスト比が小さく、判読しにくくなる。
そして、それぞれの文字は、背景色と接する縁の部分が白色で縁取られている。これは視認性を上げる効果がある。

しばらく前に、相鉄が快速の色を緑から青に変えた。東急は動かないなと思っていたのだが、こういう方策で来た。なかなか良いのではないかと思っている。

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December 17, 2007

ペットボトルのスクリューキャップ

12月のことで、夜の会合が何回かある。
そのようなある晩。駅のホームにいたら、酔眼に自販機のあかりがまぶしかった。

飲料のペットボトルは、加熱して販売することができる規格のものにはオレンジ色のスクリューキャップがしてある。緑茶など、冷やして売る専用のものと加熱用のものがある飲み物について、見分けることができるようにしてあるわけなのであるが。

Dvending0

冷たいお茶は、このように、キャップが黄緑色なのである。
 … あれ、これは、見えにくい人がいるんじゃないだろうか?
ケータイのカメラで撮影してきた。

いつものように、富士通カラードクターで変換してみた。順に、第一色覚、第二色覚の人の見え方をシミュレートした画像である。

Dvending1

Dvending2

このように、冷たいお茶と温かいお茶のキャップの色は、ほとんど判別不能である。以前話題にした、ニカド電池とニッケル水素電池の色づかいと同様である。

これは、単純に、冷たいお茶のほうのキャップを白色にすればよい。メーカーが善処してくれることを期待したい。
(お客様サービス云々の窓口へ提案してみようかなあ?)

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November 14, 2007

pH指示薬と色覚

ここ数日間、チョークの色と色覚について書いてきた。
この話は、もともと、pH指示薬の色を黒板に色チョークで描いたら、というところから始まったものであった。

昨日と今日、いくつかのクラスで、pH指示薬の酸性色と塩基性色を見せてきた。見せ終わって片付けるまえのものを写真に撮り、それをまた富士通カラードクターで変換してみたのが下の写真である。
今回は、解像度変更以外の画像処理をしていない。一番上がオリジナル、次が第一色覚(赤)、下が第二色覚(緑)である。

Phindicator0

Phindicator1

Phindicator2

試験管3本で1組となっており、一番左がメチルオレンジ、中央がBTB、右がフェノールフタレインである。それぞれの3本は、左が酸性溶液、中央が純水、右が塩基性溶液に指示薬を入れたものとなっている。(pH7くらいの緩衝液が欲しかったが、作る時間がとれなかった)

このように、メチルオレンジは、第一色覚・第二色覚の者にとって酸性色と塩基性色が非常に見分けにくい指示薬であることがわかる。教材とするときには注意が必要である。
これに対し、フェノールフタレインは、「赤」であることは認めにくいけれども、色の変化は大きくて、中和滴定の終点を知ることは困難ではない。高校化学の教材として一般に取り上げられている、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の滴定、および食酢の滴定で、これを指示薬として使っていることは、色覚特性に配慮した上でもなお適切なものであるということが言えそうである。

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November 10, 2007

色チョークと色覚(2)

11月8日付けの記事に、いくつものコメントをいただいた。それらへの返信を含め、続きを書いてみる。

Nとーさんから、文字の色分けとアンダーラインを併用するという話をいただいた。
私も、そのようにしていて、一昨日の記事の写真よりも広い範囲を示せば以下のようになっている。(画像処理してコントラストを上げた)

Chalkcolor2

このように、絶対的な色調を感知することはできなくても、最低限明度で区別ができれば板書の意味を読み取ることができるようにはしているのである。
それと、私は普段、色チョークで文字を書かない。黄色チョークで用語のアンダーライン、他の色は、それぞれに意味を与えて重要事項を囲む線に使ったりしている。文字を書くと、明度が低くて読みにくいことがあるから避けるべきであると、初任の頃に教えられて、それを守ってきた。
どうしても色の字を書きたいときは、白チョークの線を添えて太くする。こうすると、離れてみればその色の明るい線に見える。

ところで、この日の板書から、もう一つ別の部分の写真を示そう。
こちらは、「塩」という文字を蛍光緑のチョークで書いている。「酸」が赤、「塩基」が青、塩のアンダーラインが黄色のチョークをつかっている。
一番上が、見やすいように画像処理をしているが、一応オリジナルの画像。次が、富士通カラードクターで変換した第一色覚(赤)、最後が第二色覚(緑)の画像である。第三色覚は稀なので省略した。

Chalkcolor30
Chalkcolor31
Chalkcolor32

以上の検討から言えることは、

  1. 赤チョークによる描線は、第一色覚・第二色覚のいずれの人にも、暗く読み取りにくい青系統の線となる
  2. 青チョークも青灰色のような線に見えるが、赤チョークよりも明るい。また、青チョークと赤チョークの色調はかなり区別しにくい
  3. 緑チョークの描線は、むしろ明るい、見やすいものである。ただし、黄色チョークの描線とはきわめて区別しにくい。蛍光緑も、明るいが、黄色とは区別できない

ということになるだろう。

したがって、
推奨されるチョークの使い分けは、白・黄色・青の3色である
という結論になる。

この、チョークの色については、私がこうして述べるまでもなくさまざまな検討が行われていて、たとえば「天神白墨」の会社では、このような取り組みを行っているようだ。赤チョークの色相を少し変えているそうである。これは学校に入ってこないから、知らなかった。

さて、私には、まだ問題が残っている。それは、理科の授業において、さまざまな現象の色彩を黒板にチョークで表すときの問題である。多数派の目に、赤は赤チョークで、緑は緑チョークで描けばそれらしく見えても、第一第二の色覚者には、必ずしも意図したように伝わらない可能性が高い。
BTB溶液の黄色・緑・青などは、黒板にチョークで書き表すことはやめて、プロジェクターによる投影など別の方法を考えた方がいいのだろうか。

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November 08, 2007

色チョークと色覚

先日、授業でpHと指示薬の話をした。黒板に、いくつかの指示薬の酸性色と塩基性色を、色チョークで図示した。
そうしたら、その後で男子生徒がやってきて、私の板書を書き写した自分のノート(シャープペン一色で図が描いてある)について、こことここは何色ですか、と質問していったのである。
私は、配慮不足を恥じた。

研究の必要を感じたが、まず、事実の確認からである。
今日、意図していろいろな色チョークを使って板書してみた。それをデジタルカメラで撮影し、例の富士通カラードクターで変換して見てみた。

Chalkcolor

左上がオリジナル画像。右上が第一色覚(赤)、左下が第二色覚(緑)、右下が第三色覚(青)である。

チョークの色分けは、暖色系が酸、寒色系が塩基である。強酸が赤、弱酸が蛍光オレンジ。強塩基が青、弱塩基が緑という使い分けをしている。多数派の生徒には、この色分けの意図がわかると思う。
ただし、色覚異常の生徒には、オレンジと緑の区別は厳しいだろうなとは思っていたし、また赤と緑の区別も難しいのではないかと予想していた。
それが、第一・第二色覚では、予想と大きく違う結果となっている。赤チョークと緑チョークの筆跡は、このように明瞭に区別される。しかし、赤チョークと青チョークの筆跡は、かなり区別しにくい。

このように、第一・第二色覚者に「赤と緑が区別しにくい」という一般則は、黒板にチョークで書く文字についてはあてはまらないことがわかった。これは、チョークの「赤」がむしろ桃色に近い明るい色であることが理由であろうと直感するが、可視スペクトルを測定してみないと正確な議論はできない。

今日の授業中、生徒に、より多くの人に見やすい黒板の書き方を調べるためだから勘弁してくれと言いながら、板書してはデジタルカメラで撮影するという行為をした。
それで、収穫はあったのだけれども、これをどうしていったらいいか。ちょっと考えてみなくてはならない。

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November 05, 2007

列車種別とバリアフリー(?)

相鉄線が時刻改正された。

この改正に合わせ、列車種別を表す色が、変更になっている。
赤が急行、緑が快速、白(黒)または青が各停であったものが、青が快速を表す色とされたようだ。

Sotetsutimetbl

これはポケット時刻表。左が従来のもの、右が改正されたものである。
また、時刻改正に先立ち、車内に掲出されている路線図も、青が快速を表すものに交換されている。

これは、バリアフリーのためではないかという説がある。つまり、列車種別として赤と緑を識別させる表現は避けるべきであるから、ということなのだ。
もっとも、このようにされた理由は公表されていないようであり、推測に過ぎないのだけれど。

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April 26, 2007

色チョーク

職員室に、チョークが備えられている。もちろん、授業で使うためである。

どのようなものを常備しておくかは、それぞれの現場の判断なのだろう。学校によって、置いてある色の種類が違う。
10年ほど前に勤務していた学校では、普通の白・黄・赤・青のほか、緑と茶色も置いてあった。大して消費されないのに一定のペースで購入されていたらしく、古くてほこりをかぶったものまで書庫に積まれていたので、緑と茶色を一箱ずつもらってきた。そして、異動するたびにそれを持ち運び、大切に使ってきた。
ところが。

Chalks今度の勤務校の職員室には、このように、さまざまな色のチョークがある。使い慣れた「ダストレス」ブランドで、白・黄・赤・青に加えて緑。そして、「hagoromo」印、石膏製のふわふわしたもので、蛍光緑と蛍光オレンジが置いてある。これはすごい。
私のチョーク箱には、ここにある7色と茶色が入ることになった。色とりどりである。

もっとも、これらの派手な色のチョークは、教員はそんなに使わない。
むしろ、6月に行われる文化祭に出る有志団体に参加者を募る書き込みに、もっぱら使われている。
各HR教室の黒板に、毎朝毎朝、たくさんの団体がカラフルな文字を書いている。生徒のエネルギーは大変なものである。

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February 21, 2007

配色

日曜日、このblogのページ配色を、すこし変えてみた。
記事のタイトル部分は、背景の青を濃く深くしたのだが、これでも、Colour Contrast Analyserは合格点を出してくれない。この青地に明るい黄色の文字で、十分読みやすいと思うのだが…。
少々、厳しすぎるのではないかと感じる。

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February 06, 2007

ニッケル水素の橙とニカドの黄緑

2月3日の記事の続きである。

学校へ行って、いくつかの銘柄の単三型ニッケル水素蓄電池、それにニカド電池を並べて写真を撮ってきた。
光源は直射ではない太陽光、だから色温度は高い。カメラはごく簡易なもので、露出は自動である。jpegで撮ったまま、トリミング以外の画像処理はしていない。

Battcol0Battcol1
Battcol2Battcol3

1月29日の記事と同じく、左上がオリジナルの画像。これを、Fujitsu ColorDoctorで処理した画像があとの3枚。右上が赤感覚欠損の第一色覚、左下が緑感覚欠損の第二色覚、右下が青感覚欠損の第三色覚の見え方をシミュレートしたフィルタリング画像である。

予想通り、第一色覚と第二色覚の人には、ニッケル水素の橙色とニカドの黄緑色は見分けにくいものであることがわかる。


視覚、とくに色覚について、少数派の人たちに対する配慮が足りない例を挙げる記事をいくつか書いてきた。

このような例は、視覚だけではない。
例えば、私たちは職務として生徒の健康診断をおこなうが、聴力検査の担当になると、高音域や低音域が聞こえにくい生徒が少数ながらいることに気がつく。
そういった人にとって、「外線の着信と内線の着信で呼び出し音が異なる電話機」の音は、聞き分けることに困難はないのだろうか?

ユニバーサルデザインということが言われる。それは、品物の形状について議論されることが多いように思うけれど、視覚や聴覚の個性の幅について考慮することも重要だろう。なかなか、体験・想像することが難しいのだけれども。
そして、こういうことも、情報科の見渡す地平に含まれると思うのである。

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February 03, 2007

ニッケル水素が橙でニカドが黄緑とは

カテゴリが行ったり来たりしているが、1月29日の記事の続きとなる。
などと書くまでもなく、%タイトル% だけで用がすんでいるようなものである。でもまあ、少しだけ。

デジタルカメラを何台か持っているのだが、そのうちの2台が、電源として単三型電池を使うタイプのものである。もちろん、アルカリ単三を常用するのは現実的ではなく、ふだんはニッケル水素蓄電池を使うことになる。そのために、単三型ニッケル水素電池を4本×3組用意してある。
これらは、メーカーや品番は違うものだが、おそらくいずれも三洋電機モバイルエナジーのOEM品である。そして、その外装の下部には、オレンジ色の帯と、充電再使用を示すマークが刷り込まれている。
ニッケル水素電池のメーカーは、三洋電機モバイルエナジーのほか、松下電器があるが、こちらの製品も、同様のオレンジの帯が巻かれている。つまり、電池の下部が橙色であれば、それはニッケル水素電池である、と分かるように、メーカー間で(文書によるものかどうかは別として)協定されているのであろう。

なぜ、そのような識別色が必要なのか。それは、区別されるべき対象が他にあるからで、その対象は、ニカド電池である。公称電圧は同じだが、容量や充電器の問題があるわけだ。
そして、そのニカド電池であるが、識別色が黄緑色なのである。

この、橙色と黄緑色というのは、第一色覚・第二色覚の人には、きわめて区別しにくい色である。それをニッケル水素とニカドの識別色とするのは、配慮を欠いたものだと言わざるを得ない。
私はニカドの単三も持っているのだが、いま学校に置いてある。週明けになったら、ニッケル水素と並べて写真を撮り、富士通ColorDoctorでフィルタリングして、このブログに上げようと思っている。

一次電池については、普及型マンガンが赤色で高性能型マンガンが黒色、アルカリが金色となっている。これは、たまたま松下のハイトップが赤でネオハイトップが黒であったものに他社が合わせたのだろうが、識別しやすい色づかいである。
充電式電池についても、それにならい、かつそれ以外の色をと考えたのだろう。しかし、よりによって、と思うのである。

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