July 30, 2011

仮設棟へ引っ越し作業

1、2年前だったか。勤務校の校舎の耐震診断が行われた。
その結果、古いHR教室棟は数値が良好であったのに対し、比較的新しい特別教室棟の数値がやや低かった。そのため、特別教室棟の改修工事が行われることになった。

改修工事の間は、プレハブの仮設校舎が用意される。特別教室棟を半分に分け、半分ずつが仮設棟へ移動しては、そのあいだに壁を再構築したりX字型の筋交いを入れるという工事が行われることになる。

この夏休み、特別教室棟(ふつう校内ではC棟と呼んでいる)の西側つまり理科と図書館の領域が、仮設へ移動となる。忙しくも暑い中、私たちは連日、その作業にかかっている。
これが完全に新校舎になるのだったら、もっとモチベーションも上がろうというものなのだが。やむを得ない。

それでも、たまっている機材や資料を処分する機会とすることはできる。今日も、出勤して作業をしてきた。
古い学校だし、少々蛮勇をふるうくらいの心づもりでかからないと物を整理することはできないようにも思う。そう、これを機会に。そして、こういう目的でもないと。

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June 26, 2011

センター試験 理科社会2科目問題

来年度からセンター試験の制度の一部が変更になる。
これにより問題が生じる可能性があるがどうするのか、ということがずっと言われていた。

最近になってやっと大学入試センターが詳細を発表した。やはり、問題が生じる。
つまり、理科または社会で、はじめから1科目だけを使うつもりなのに2科目受験すると申告しておく。問題冊子にはすべての科目が入っている。60分経過時点で1科目目の解答用紙が回収されるが、はじめから、その科目は捨てる。時間を使って解かない。2科目目に出す用紙の科目に、実質的に120分ちかくをかけて解き、点数の上乗せを狙う。

東大が、これに対し、「1科目目に解答した科目の成績を使う」と表明した。これなら強制的に60分となる。
ただし、こうすると、よくある「2科目を受験したときは高得点の科目を採用する」ルールが使えなくなる。

先日の明治薬科大学説明会ではここのところについて質問が出た。大学の回答は、「周知してきていることなので、今さら変えられない。今度の入試では、高得点の科目を使うという方式で行う」というものであった。これは一つの見識であろう。

ところが、国大協では、みんなで東大に右にならえをすることにしたようである。
振り回される受験生は、たまったものではない。


大学入試:センター試験2科目受験、1科目目で合否判定 各校足並み
 全国の国立大86校でつくる国立大学協会は22日、来春の大学入試センター試験に導入される地理歴史・公民と理科の「2科目受験」について、最初に解いた1科目の得点を合否判定に採用することを各校に求める通知をまとめた。
 2科目受験は各科目の問題が一つの冊子にまとめられ、試験時間は1科目各60分に、解答用紙の回収と配布にかかる10分間を挟んだ計130分。第1科目の解答用紙を回収されても問題の冊子が残り、第2科目を実質的に120分使って解くこともできる。
 同協会入試委員会は「受験者間で不公平感が生じるのは望ましくない」との見解を示した。
 既に東京大は2科目受験者の合否判定について、得点が高い方の科目から、第1科目の成績を使う方式への変更を決定。同協会の通知によって国立大が足並みをそろえる方向となった。【木村健二】

毎日新聞 2011年6月23日 東京朝刊

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June 19, 2011

東京薬科大学入試説明会

6月18日(土)。東京薬科大学の入試説明会と見学会に行ってきた。

キャンパスは、八王子市にある。とだけ言っても、場所はわからない。平山城址公園駅の南、京王堀之内駅の北にあたる。平山城址公園駅からのほうが近い、というか、そもそも城址公園の東半分ほどをキャンパスにしているように見える。
駅からバス便となるが、不便な感じはしない。良い感じに自然が保たれている中の、すてきなキャンパスであった。

Toyaku1106181

入試説明は、型どおりであった。
そのあと、情報交換会と称して、高校教員2人に大学の先生が1人くらいつく形での面談。私は麻溝台高校の先生と一緒に、生命科学部学部長の多賀谷光男先生とお話しさせていただく機会に恵まれた。研究内容の詳細に及ぶ話にはならなかったが、私の出身を申し上げ、先生の研究分野とかなり近いことがお互いに確認できた。その上で、生命科学部の特徴、先進性といったことについて、詳しくお話しいただくことができた。

そのあとは、施設見学となった。薬学部が6年制に完全移行し、病院薬局実習やOSCEといったテストが導入されていて、その事前学習を充実させることが強く求められているらしかった。真新しい建物に、たくさんの、充実した「本物」が置かれ、即戦力としての薬剤師を育成する機関としての体制がととのえられていた。
ただ、これは、一方では、大学と言うよりも職業訓練施設に近いぞ、という印象も与えるものだった。今どきの薬学部は、こうなっちゃってるのか…。
でも、さらにそのあとに学生さんに引率されて旧来の施設、4年生から6年生が研究を行うラボを見学させていただいたら、抱いていた違和感が消失した。そう、研究室は、これですよ。こういうところで時間を過ごし、実験し、ゼミをやって、育つ。やっぱり大学はこうでないと。

帰りは雨となった。
私の自宅からは片道1時間半を越える場所であるが、勤務校の生徒にとっては意外に通いやすいことも分かった。報告書を作り、紹介してやろう。

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May 08, 2011

HGS分子模型 SPF-2型

また、新しく分子模型セットを入手した。
今度もやはり、HGS-丸善の、SPF-2型というものである。

Spf21

これは、どう説明したらよいだろうか。玉と棒のモデルではあるのだが、その玉に、球形の透明なカバーがかかっている。そのカバーの大きさが、原子のファンデルワールス半径(よりもちょっと小さめ)になっている。

そして、芯となる部分は、生化学用として売られている、1Åが1cmスケールの模型と互換性があって、一緒に組んで使うことができる。
試しにエタノールを組んで、この模型と生化学用の模型を並べてみた。こんな感じ。

Spf22

化学Ⅱの授業が、やっと無機が終わって有機に入るところである。さっそく活用しよう。

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April 03, 2011

今年度の担当科目

始業式はまだだが、暦の上では新年度になっている。
いや、私は毎日学校へ通い、部活の責任顧問をつとめるかたわら新年度の仕込み作業に追われているから、実質的にもスタートしている状態である。生徒たちもかなり学校へ来ている。つまり、授業が始まっていないだけ。

2011年度の担当科目。
1年、理科総合Bが2クラス×2単位で4コマ。今年は2時間続きにしてもらったから、週に2回だけ1年生の方へ出張っていくという感覚。
3年、化学IIが3クラス。今年から4単位になっているので12コマ。
これに3年担任としてLHRが1コマ。
総合は、なし。3年総合を持たないとなると、その準備の負担が大幅に減る。それはうれしいけれど、有機化学ゼミで「自分の生徒」たちと過ごす時間がなくなるのは寂しくもある。

情報科は、今年度も担当しない。生物を専門とするYさんが持ってくれる。
ただ、来年度は、教育課程の移行期間となって1年化学がなくなり1・2年で生物が開講される。そうなると、わざわざ私が専門としない生物をたくさん持ち、Yさんが情報を持つというのは不自然だから、私の出番が来るかも知れない。

今日も、午後から出勤である。

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February 12, 2011

単分子膜

1月24日(月)。化学II、脂質について。

この分野では、ずっと、ヨウ素価とかけん化価というものが扱われていて大学入試にも出題されていた。これらは、化学工業の分野で使われていた(今も?)のだろうけれど、科学的に重要なことがらだとは思えないし、無駄な計算問題の題材ともなっていた。このごろやっとこれらが教科書から消えたようなので、安心して、取り上げないで通過することができる。

油脂、リン脂質、ろう、ステロイドと順に説明する。話をふくらませる話題はいくらでもあるが、適度におさえなければならない。
と言って、その「適度」はどれくらいなのか。いつまでたっても、悩み続けるポイントであるが。

だらだらとした話で終わらせずに、理論的なことも少し入れたい。入試直前でもあるし、単分子膜の実験と計算をやってみた。

実験書を参考に、ステアリン酸のエタノール溶液をつくった。これを水面に滴下し、形成される単分子膜の面積を測ることから、アボガドロ定数を求めるという実験である。
ステアリン酸の質量とエタノールの質量から、質量パーセント濃度を出す。エタノールの密度を使い、モル濃度にする。溶液をピペットから20滴滴下し、その質量から、1滴の質量を出す。そして、1滴に含まれるステアリン酸の物質量[mol]を計算しておく。
一方、ステアリン酸の分子構造から、分子一個の断面積を見積もる。断面の直径を4Åとすると断面積は1.6×10-19m2である。副教材の問題集に載っている問題では2.0×10-19m2としてあった。
エタノール溶液を水面に1滴滴下するが、ここで形成される単分子膜の面積を知る必要がある。実験書では滑石の粉末を撒くようになっている。地学室から滑石の標本を持ってきて、やすりで削って粉を水槽の水面に撒いてみたのだが、あまりうまくいかない。そこでドラッグストアへ行って、ベビーパウダーを買ってきた。これは、うまくいった。
ベビーパウダーで白く覆われている水面に、ステアリン酸の溶液を滴下すると、水面が大騒ぎになる。そのうち、ベビーパウダーが押しのけられた領域が、星形からゆがんだ円形にまとまってくる。そこへ、トレーシングペーパーの方眼紙をさっとのせると、その下の模様がうっすらと透けて見える。手早く油性フェルトペンで輪郭を写し取り、マス目の数を数えて、単分子膜の面積とする。
単分子膜の面積と、さきに見積もった分子の断面積より、ここに落とされたステアリン酸分子の数がわかる。この数と、求めておいた物質量から、アボガドロ定数が計算できる、というわけである。

脂質についての講義のあと、日曜日に予備実験しておいた上記の内容を、生徒たちの前でやって見せた。単分子膜の面積を見積もるところは、手を挙げた生徒にぬれた方眼紙を渡して求めさせた。
計算の結果は、広く認められているアボガドロ定数の値の、約8倍となった。

まあ、2倍くらいの誤差に収まれば上出来だと思っていたけれど、8倍というのはいささか格好が悪い。でも、実験結果は結果である。これをどう考察するか。誤差のもととなる要因をいくつかあげてみた。そして、こういうことを検討するのが、君たちがこれから大学で実験をしたあとに出す実験レポートの「考察」なんだよ、などど、禍を転じて福となすような話をして終了とした。

いよいよ、大詰めである。

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January 23, 2011

ニンヒドリン反応

17日、月曜日。1、2校時の3年必修選択化学II。
行事予定や時間割の関係で、この授業は1月末の終了までにまだ8時間もある。話し残しているのは、あと生体物質や薬品についてであって、実験を入れながらゆっくり扱うことができる。

アミノ酸とタンパク質について、スライドを使いながら話をした。今日の実験は、ニンヒドリン反応である。前日の日曜日に休日出勤して予備実験、準備をしてある(思えば一年間、これをやってきたのだ)。

11cmのろ紙に、試料をスポット状に4カ所につける。試料は、グルタミン酸、アスパラギン酸、プロリンそれぞれの2%水溶液と、パルスイートのスティック状1包み1.2gを数mLの水で溶かした水溶液である。
今日の気温では、グルタミン酸は2%まで溶けずに沈殿しているのだが、まあ、いい。
本来は、混合物にしてペーパークロマトグラフィーで分離し、ニンヒドリン発色させたいところ。しかし、そのための展開溶媒はブタノール+酢酸+水であり、強烈なにおいがする。この寒いのに、窓を開け放って実験するわけにもいかない。そこで、今回は、発色を見るだけにした。
試料のスポットは、電熱器またはヘアドライヤーで乾かす。乾いたら、ニンヒドリンの0.1%エタノール溶液を駒込ピペットで適当にかけ、さらに電熱器かドライヤーで発色するまで加熱する。
… そうしたら、3台を同時に使ったところで、電源が落ちた。古い学校は、これだから。

Ninhydrin_reac

このように、グルタミン酸はニンヒドリン反応の典型的な赤紫色を示し、パルスイートもほぼ同様である。アスパラギンは濃いベージュ色。プロリンは黄色に発色する。

電源が復帰した後、生徒たちは、ドライヤーを交代しながら使って、熱心に加熱していた。そうすると、試料のスポットの他に、ろ紙の縁にうっすらと丸い模様が見えてくる。指紋の模様までは読み取れないが、ろ紙を持っていた自分の指のあとに間違いない。
どう、面白い?

この時期の3年生のことで、出席率はよくない。きまじめに出てきている者に、ああやっぱりさぼらずに授業に出て良かった、と思わせて帰したいところである。来週は脂質をやるが、さて、目玉は何にしよう。

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January 15, 2011

砂糖から炭モコモコ

化学II、糖質について。

生徒から、砂糖と硫酸の反応が見たいというリクエストがあった。くさいぞ、と言ったのだけれども、構わないから見てみたいと言う。
それではということで、3クラスでやってみた。ただし、煙が上がる反応を暖房が入っている教室でやることになるので、各クラスとも1つか2つだけである。

実験方法はきわめて簡単で、小型ビーカーに半分から7分目ほど上白糖を入れ、濃硫酸を適当にかけてやって、見ていればよい。こぼれたときのことを考えて、ホーロー製のバットに置いておこなった。

Sugarh2so4

砂糖が焦げたにおいがして、私はそんなに悪臭だとは思わないが、生徒たちには不評である。それでも、反応がうまくいって、このように見事に炭の柱が立ち上がったときには、私にも不快に感じられるにおいがする。換気扇の下の実験台でやるようにして、正解であった。

(1月17日 付記)
この反応は、一般に、硫酸が砂糖から水を化学的にうばって炭化させる反応であるとされている。
私が感じた「不快なにおい」はゴムタイヤを燃やすようなにおいであって、それは煙に硫黄の酸化物が含まれていたためであると思われるが、そんなものが発生する理由がわからずにいた。
ところが、少しWebを検索してみたら、この反応は激しく発泡するようになった段階では熱濃硫酸が酸化剤としてはたらいている可能性があることがわかった。なるほど、それなら二酸化硫黄が発生するし、また炭の固まりが泡立つように盛り上がるのは二酸化炭素の発生のためなのかもしれない。
そうなってくると、一般に言われているように、糖から水が奪われて炭になる、と簡単に説明してしまうのは誤りだということになる。
これは少し、調べてみる必要がありそうだ。

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December 29, 2010

glucoseをモル-タロウでつくってみると

glucoseの模型を3つ、こんどはモル-タロウでつくってみる。3つの模型を並べた状態を1枚の写真に撮ろうとしても、なかなかすべての原子をうまく写すことが難しい。べつべつに撮影した画像を並べて合成することになる。

Glucosemoltarou

これはこれで、良い感じ。
糖の説明をするスライドに入れておこう。もう、来年度用ということになってしまうけれども。

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December 25, 2010

HGS分子構造模型 生化学学習セット

また、分子模型セットを入手した。今度は、HGS/丸善の、学生用生化学のセットである。

カタログでは「生化学 学習用セット」だが、発売元の丸善のページでは「生化学学習セット」となっている。品物には、ごらんのとおり、BIOCHEMISTRY MOLECULAR MODEL STUDENT KIT と表記されていて、どうもよくわからない。製造元も発売元も、どう呼んでもらってもかまいません、くらいのつもりでいるのかもしれない。

Hgsglucose

これは、以前のエントリで紹介したセットとよく似ている。ただし、以前の「4010学生用セット」が、1Åが2cmの縮尺で作られていたのに対し、これは1Åが1cmとなっている。全体に小さいのではなくて、結合の棒の長さだけが短くて玉は同じ大きさに見える。だから、互いにつながるのかも知れないが、混ざってしまうといやだということもあって、まだやってみていない。

だいたい、Webや紙のカタログで見る限り、「4010学生用セット」は現在市販されていない様子である。ところが、製造元である日ノ本合成樹脂の英語ページ (HGS Stereochemistry Molecular Model のところ)には載っている。どうして日本では売らないのだろうか。

作ってみたのはグルコース分子である。中央が鎖状構造で、アルデヒド基をもつ。ここがヒドロキシ基とつながってヘミアセタールとなるのだが、この3つの形は化学平衡の関係にあるので、グルコースの1位の立体配置は決まらない。その説明のために、この分子模型を組んだ。

実は、授業のときに使ったのは、モル-タロウで組んだ模型であった。そちらの写真も撮っておいたはずなのだが、ちょっと見あたらないので、先にこうしてHGSの方のエントリを書いたのである。モル-タロウのほうがきれいでかわいいが、このくらい込み入った分子になってくると、この細いHGSの方がすべての原子の位置がよく見えるようである。

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