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December 25, 2010

糖の還元性

ここのところ、記事を書けていなかった。さかのぼって、少し記録しておこうと思う。

12月20日、月曜日。自由選択の化学IIは終了しているが、必修選択のクラスはそのまま授業を続行している。それが月曜の1・2校時にあるので、実験の仕込みは前日の日曜日に休日出勤して行うことになる。

糖の化学。生体物質であって私の専門に近く、本来は得意であるべきところ。しかし、私は数学的なきちんとした空間把握が苦手なので、立体化学が重要となるこの分野については、正直なところ、しっかりと理解できている自信がない。

# いや、そんなことを言ったら、結晶だって熱力学だって反応速度だって…。

ここのところは、スライドを投影しながら話を進める。黒板にはフィッシャー投影式くらいは書くけれども、いろいろな糖の構造式などは書いていられない。
それに、書画カメラを用いて分子模型をいろいろと提示することも行う(これについては別エントリを書く)。

自由選択の2クラスは、単糖と二糖をざっと紹介して、最後に、ビーカーに入れた砂糖に硫酸を注いで、「お~!」と言わせて授業を終えた。
こちらの必修選択の方はまだ少し時間があるので、別の展開をする。

糖の構造について検討して、アルデヒド基があるから還元性を示すはずだね、と話してから、それを確かめる実験を2つ。
グルコース、フルクトース、マルトース、スクロースを試験管に少量ずつ取ったものを2組ずつ。それに、フェーリング試薬のA液B液。これを、今回は4班ぶん用意した。また、教卓で0.1M硝酸銀水溶液に3Mアンモニア水を少しずつ注ぎ、酸化銀の沈殿が生じてまた消える様子を見せて作ったアンモニア性硝酸銀水溶液。これらを、20人ほど出席している生徒たちの間に、適当に配った。

Sugars

左側がフェーリング反応の結果。写真は、授業後に生徒たちの実験したものを回収してきたものなので、やや時間がたっている。少し前には、もっと鮮やかなオレンジ色だった。また、この後には、酸化銅(I)は試験管の底に沈殿する。このように、スクロースは還元性を示さないことがわかる。
右側は銀鏡反応。この条件ではスクロースが少しずつ加水分解してしまうためか、還元された銀が少し析出してくる。ただ、ガラス面に銀の膜をつくるほどでなない。

実験をしながら、銀イオンの沈殿のできる条件、銀とアンモニアの錯イオンの構造、またフェーリング試薬のA液B液を混ぜたときの色から何ができていると思う?と発問し、
「テトラアンミン銅イオン」
と答えた女子生徒をほめて、でもここにはアンモニアはないよね、実は、銅イオンと酒石酸イオンがキレートになっているんだ、キレートとは何か、などという話をおりまぜながらの進行である。

こうして実際に反応を見せると、生徒たちには強い印象を与えるようである。受験勉強の追い込みの時期であるけれども、生徒たちはみな熱心に嬉々として実験に取り組んでいた。

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