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July 09, 2010

『ずっと受けたかったソフトウェアエンジニアリングの授業』

標記の本を、ほぼ読み終えた。

Komaya_book

著者の一人が、駒谷昇一さん。
実は、駒谷さんとは、私は幼稚園から高校までの付き合いがあった。高校のサークルの同窓会で一緒に出かけたのが20歳ころで、それ以来長いこと会っていなかったのだが、数年前に、はからずも情報科関係で再会を果たすことになったのだった。
この本は、5月の情報部会研究大会のときに、特にいただいたものである。

彼は、企業・産業界にとって必要な人材を日本の高等教育が育成してくれていないという問題意識をもっている。推されて民間から筑波大学の教授となり、意欲的に、ソフトウェア業界のプロジェクトマネージャを育成しようと教育に取り組んでいる様子である。

彼は、日本の大学の情報専攻学科では、コンピュータサイエンスやプログラミング技術に偏った教育がなされていて、企業が求める現場で役立つ技術者が養成されていないという。企業に求められる情報科方面の技術者とはどういうことができる人なのか。それが、この本を読むと、よくわかる。
つまり、最近では、顧客から注文された処理システムをつくりあげて納品するのに、それを一人で全部行うことはありえない。各パートパートでコードを書き、それらをつなげてテストを行う。また、コスト面ではどうなのか。顧客のニーズを正しくつかみ、納品して喜んでもらえる(お金をちゃんともらえる)システムを作り上げるのには、どのような管理進行体制が必要なのか。そういうことのできる人、プロジェクトマネージャが、まさに求められているのだという。

こういう立場からの要請に対しては、中等教育の教員からは疑義も出されるだろう。
でも、私としては、賛否はともかく、要請の中身はわかった。

こういうことを身につけずに、ただやりたいから楽しいからと、デジタル技能ばっかり身につけて学校を出たらどうなるのか。単価の安い、アウトソーシング形態の仕事を受注する立場に納まっていくのではないだろうか。いわゆる「デジタル土方」である。そういう方面の技能修得環境を売り物にするような大学まであるが、私は賛同しかねるし、生徒を送ろうとも思わない。

世の中から必要とされる = 存在の承認を与えられる = 精神的また経済的にも安定し自立する

ということがあるのならば、情報技術方面を学びたいと言っている高校生たちに、駒谷さんたちの主張を知らせてやることが必要ではないか。

この本を読みながら、そんなことを考えた。

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