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June 20, 2010

教育実習生受け入れ

先々週まで、教育実習期間であった。学生によって2週間または3週間と違っているので、後ろを合わせる形で期間が設定された。

私は、2名の実習生を担当した。教科担当として2名、うち1名はホームルーム割り当ても私のクラスである。
このことについては、おそらく、批判があったはずである。私のほかに、2名の実習生を預かった教員はいない。
無責任?目が届かない?指導が不十分になる?
いや、そんなこと言ったってさ。

私が母校の高校で教育実習したとき。実習生は、たしか40名ほどであった。初日に職員室で全員が挨拶したときには、もう、実習生でいっぱいになったものだ。
HRの担当はなかった。私だけでなく、教育実習ではHR指導はやらないことになっていたのだ。
私の指導担当になってくれたK先生は、私の他にもう一人、実習生をもってくれていたのではなかったかと思う。みんなそんな感じで、物理と化学の実習生の控室になっていた物理準備室は、わいわいがやがや、楽しいものだった。
だからといって、教育実習の内容が薄っぺらなものになってしまって不満であるとか、そういうことは一切なかった。工夫しながら多くの実習生を受け入れてくれる母校のやり方に感謝した。

20名の実習生を受け入れた勤務校では、同僚たちのやり方はいろいろである。きびしく、エネルギッシュに指導にあたる人もいる。
しかし、そうやってみても、わずか2週間か3週間のことである。1年間とか3年間という長丁場になる我々の仕事の中では、それはほんのわずかの期間でしかない。その間の授業について、教科の部分をきつく指導することは、私にはあまり意味のあることとは思われない。そもそも、教科の内容を身につけさせるのは、教育実習ではなくて大学の授業のはずである。

私たちのすることは、教職を志す、あるいは選択肢の一つとして考えている若者に、やってごらんなさいと、教えることを体験するチャンスを提供することである。やる気があれば、あるいは観察眼と判断力があれば、私たちの動きを見ていてさまざまな事項を見いだし、自分でやってみよう、取り入れてみようとするだろう。あるいは問題点を改良する方法をさぐったりするだろう。

担当した2名とも、実習授業後の私の細かい(些末な?)アドバイスをよく受け止め、次には改善した授業を行っていた。また、1クラスだけ私の担当授業を残しておいて彼らに見せていたら、やりなさいと言ったわけではないのだけれども、書画カメラやPCやプロジェクターを用いる教材を作ってきて、自分の授業に取り入れていた。私のをまねしているのではなくちゃんと独自のものであった。

そんなこんなで、私にとっても初めての、2名担当の実習期間が終わった。実習録のコメントを書くのだけは2倍の手間であったけれど、大したこともない。あとは、彼らにとって、充分なよい実習であったかどうかということであるが、話が戻るようだけれども、それは本人たちの意気込みに帰される問題であろうと思っている。

来年は、1名を受け持つ予定になっている。勤務校へ来た年に化学IIを1クラス持ったのだったが、そこにいた学生である。

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June 06, 2010

浮世絵入門 東海道五十三次

実は、先週の土曜日も、美術展のはしごをしているのである。Bunkamura ザ・ミュージアムの「語りかける風景」と、松岡美術館の「モネ・ルノワールと印象派・新印象派展」を見たのだった。
この2つは、まあ、券があったから見に行ったという面もあり、ああきれいだなあ、という程度の感想であった。
でも、今週のは、ちょっと違う。

庭園美術館を出て、都バスに乗り天現寺橋まで。ほう、正面に森タワーが見えるな、こういう位置関係なのか。それから明治通りを歩き、渋谷橋から坂道を上って山種美術館に着いた。開館記念特別展Vとして、「浮世絵入門 -広重《東海道五拾三次》一挙公開-」が開催されている。

広重の東海道五十三次といえば、超有名な浮世絵である。入門と呼ぶにふさわしいかもしれない。ちゃんと見たことがない私は、これ幸いと入門させてもらうことにする。

ここに収蔵され、今回展示されている「五十三次」は、ごく初期の刷りであるのだそうだ。長期にわたって売れ続けたために版木を更新しながら刷ったので、だんだんと刷りや図柄が変わっていくのだが、ここのものは早い時期の刷りで揃っているところに値打ちがあるとのことである。

有名な「蒲原」に目がいく。
初期のものは、「天ぼかし」といって画面の上辺が黒く、下へ行くに従ってごく淡い墨色になっている。まもなく、「地ぼかし」、つまり建物などの背景が黒くなって画面上辺に行くに従って白くなるぼかし方にかわっている。出品物は「天ぼかし」であり、よそにある地ぼかしの作品がプロジェクターによって前の壁に投影されて比較できるようになっている。面白い展示方法である。
初期の天ぼかしの出品物は、背景が、ほとんど白に近い。しかし、よく見ると、そのごく薄い墨色の背景の中に、ちゃんと真っ白い雪が舞っている。浮世絵の刷りとは、こんなに微妙なものだったのか。
その他のものも、やはり、本物を見ると違う。印刷物では味わえない趣がある。満足。

北斎の赤富士がある。この背景の青色は、「ベロ藍」だそうだ。輸入品のプルシャンブルーを使ったと説明してある。
え、「ベロ」?ベロリン…ベルリンブルーの訛りだろうか?

図録を買った。化学IIの授業で錯塩を扱ったばかりである。スキャナで取りこんで投影し、話をしてやろう。

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ロシア構成主義のまなざし

6月5日土曜日。

休日出勤の必要がなく、また特にいそぐ仕事もない。ゆっくりと好きなことができる。
映画でもと思ったが、検討する時間がもったいなく感じられたので、美術館をはしごすることにした。

まず、東京都庭園美術館へ。

開催中の展覧会は、「ロトチェンコ+ステパーノワ ロシア構成主義のまなざし」というもの。長い題名である。
この二人は、夫婦であり、また芸術の上での同志といった存在であったらしい。

彼らの作品は、油彩が主であるようだけれども、それ以外に版画や木製オブジェ、それに衣服やポスターのデザインといったものがあって、大変に幅が広い。
それらは、しかし、やはりある一つのものに貫かれているように思われる。それがつまり、「構成」ということなのだろうか。

3枚組の油彩画がある。左から、赤・黄・青の単色で厚く塗られた3枚のキャンバスである。これを描いた作者の意図は、私にはわからない。それでも、何やら訴えかけ迫ってくるものがあるように感じられた。

ゆっくり作品を見た後で、ティーラウンジへと思ったら、閉鎖され営業していなかった。残念であるが、ここで何か代わりになどと考えずに、次へ進むことにした。

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