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March 07, 2010

「ミラーの実験」装置の形は?

化学の話ばかり書いているが、今年度は「理科総合B」も2クラス担当してきた。
そのなかに、太陽系の形成~地球の歴史~生命の誕生、とすすむ項目があって、勤務校で使っている教科書ではここでミラーの実験が紹介されている。

ミラーの実験というのは、1950年代に考えられていた原始地球大気組成の気体をつくり、その中で放電を行ったところ、アミノ酸の生成が確認されたというもので、生命体の材料として必須であるアミノ酸が無生物的につくられる可能性を示した実験とされてきた。もっとも、現在考えられている原始地球大気組成は50年代当時の定説とはいささか違ったものになっており、そのため、この実験の結果が生命誕生の状況証拠であるという意味合いはうすくなっているようである。

ともかく、生徒たちには、この歴史的実験を紹介する。
私はたまたま学生のときにこのオリジナル論文のコピーを図書館で取り、それをまだ持っている。長いこと、ただ持っているだけであったが、ちょっとその気になって、この短い論文の全文を日本語に翻訳した。そして、B4の紙の片面にオリジナル論文のコピーを、裏面に私の翻訳文を載せたプリントにして全員に配布した。

ちょっと古いが理系英語の例である、高校の英語の授業で出てくる文章は文系のものばかりだがそれは英語の先生が文系だからだ、君たちの中には理系に進むと決めている人もいるだろう、そういう人はこのテキストをぜひ読んでみて欲しい、関係代名詞ビシバシで読みにくいけれどもこれが理系の英語なのだ。

ところで。この実験の装置は、例えばリンク先のWikipediaのページに出ている。Webページはもちろん、世の中のいろいろな本にもこのタイプの装置の絵が載っているのだが、それらは、原著論文の装置図とは異なっている部分がある。原著論文では、まるい大きなフラスコは「気体を混合させるため」のものとしてあって、ただそこにあるだけ。放電は、このフラスコと冷却器の間に設けられた、電極を備えた管の中で行われるようになっているのである。

これは、どうしたことなのだろう。

Webページをたくさん見ていくと、(功成り名遂げたあとの?)ミラー自身が、フラスコ内で放電するタイプの装置の前にいる写真があったりする。
ということは、原著論文の図は、うそ?
いやいや、後になって、それを改良してフラスコ内で放電するようにした装置を使うようになり、今では改良型の装置の図ばかりが出回っている?

これ以上は、私の手には負えない。

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