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February 27, 2010

テスト前補習 2回目

今回の期末テストは、曜日配置の関係で月曜から金曜までとなっている。土日をはさんでいない。生徒たちからは、勉強ができないという声があがっている。

そんな中で、2回目のテスト前補習。これで終わりとなる。
今日の出席者は41名。うち、私の担当クラスから39名であった。2クラス80名中の39名であるから、休日の希望者補習としては高い出席率である。

電池と電気分解について、副教材の問題集を演習しながら、いろいろと説明を付け加えていく。
勤務校の生徒たちは、「どこを覚えればいいんですか」といったことはあまり言わない。基本的には、ちゃんと理解して問題が解けるようになろう、という姿勢である。
しかし、この電気分解のところは、いろいろな反応例について、なぜそのような反応が起こるかを説明しようとすると相当に大変なことになる。正直、私だって、現状では不可能である。仮に私が十分に説明できるとしても、電極表面上の化学反応機構について、水素過電圧がどうのこうのと述べ立てることに、高校化学という枠組みをふまえたとき、意味があるのかどうか。
それで、(補習の休み時間に!)質問にくる生徒たちに対して、ここは代表的な例について暗記しなくてはならないところなんだ、という返事をすることになる。

生徒たちは、ネット上で「こんなに勉強しても化学はわからない」などと書いている。
うん、毎年、そう言われてるんだよ。

この単元は、学習指導要領の改訂では新科目「化学基礎」に入らなかった。その上の「化学」に移行となっているのである。

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February 21, 2010

「コペルニシウム」で決まり、だろうか?

タイトルのようなことを、ふと、考えた。
というのは、110番ダームスタチウムのときに、あれ?と思うことがあったからである。
(こちらを参照 (http://sci.la.coocan.jp/fchem/log/kyoiku/290.html

つまり、化合物名に限らず元素名については日本化学会がその日本語表記を決めるのであるが、そのための基準を自身で定めているにもかかわらず、そこからいささか離れて英語的発音にすり寄ったような表記をすることがあるのである。
あのときは、Darmstadtium の「字訳」としてルール上は「ダルムスタチウム」が正しいはずだし、ドイツの都市名は日本で「ダルムシュタット」と呼び習わされている、それなのに元素名は「ダームスタチウム」と定められた。

Copernicium.
Copernicus については、日本語で通常「コペルニクス」と表記されている。しかし英語的発音ではちょっと違うだろう。理化学英和辞典の発音記号では、「コウパーニカス」が近いようである。

マスコミでは、すでに「コペルニシウム」としてあちこちに出ている。さて、化学会はどうする?
(「化学と教育」の4月号が楽しみである。年に1回、色つき厚手用紙の周期表が入ってくる。)

(2月25日 付記)
化学会からメールが来た。「コペルニシウム」と決まったそうである。

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February 20, 2010

テスト前補習 今回はちょっと…

3月1日から学年末テストである。
授業時間中に十分な演習ができないので、そのための補習を2週にわたって組んだ。前回と同様に、土曜日の午前中に2時間、2週連続である。今日は、その1回目であった。
出席人数は、15名。後期中間の前は、1回目が30人ほど、2回目が40人超であったから、この人数は少ない。
しかも、今日は、生徒の乗りがよくない。いや、そのつもりで来ている生徒からは、私の発問に対して授業中よりもよほど活発な反応があるのだが、一部の者が、何をしに来ているのだろう?という感じであった。
実は、日程の設定がよくない。一昨日が後期入試、昨日がその採点日。この土日と合わせて生徒は4連休となっている。生徒たちは部活単位で小旅行に出かけたりしている様子であり、まだ勉強モードに入っていない。
こちらでは、120分2回の補習は提供しなくては思い、今回が「酸化還元反応」で次回が「電池と電気分解」を扱う、と予告してある。でも、やればいいというものでもないようである。
うーん。なかなか。
次回はいっぱい来るのだろうけれど。今日のところから、聞いてほしかった。

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February 19, 2010

112番元素はコペルニシウム

112番元素の名前を決定したと、IUPACがプレスリリースした。コペルニシウム Copernicium、元素記号Cn だそうである。
これは、本日2月19日がコペルニクスの誕生日であることを意識した発表であるらしい。

日本化学会からのメールで知った。なお、日本語カタカナ表記は日本化学会が決めるが、それは未発表である。
(あれ、文科省の学術用語集はどうなるのだろう。あれは専門学会の動きを見てから?)

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February 14, 2010

大観と栖鳳-東西の日本画- 山種美術館

午前中に時間が取れたので、標記の展覧会へ。
山種美術館には初めて行くが、まだ新しいようで、私のPCに入っている地図ソフトには記載がない。駒沢通り沿い、広尾高校の向かいにあるらしいので、代官山駅から歩いて行ってきた。

横山大観と竹内栖鳳の作品を中心とした展覧会であるが、それ以外の画家を含め、これは近代日本画家のオールスターキャストなのではないか、と思われるほどであった。

展示室に入ってすぐ、横山大観の「心神」がある。富士山の絵である。向き合っていると、自然と威儀を正したくなる。
大観、川合玉堂、竹内栖鳳による3幅対の松竹梅が掛かっている。それぞれの個性を画面に発揮し、かつ、まとまった作品になっている。この三人が、どんな関係にあったのかを思う。互いに感じていたのは、友情?敬意?競争心?
ああ、安田靫彦だ。高校の古典の教科書に出ていた額田王を描いた画家である。私たちの世代は、あの絵によって安田靫彦の絵のイメージが刷り込まれているのだが、そのイメージ通りの顔で、源義経が描かれている。
菱田春草の「月四題のうち冬」が美しい。梅の枝に雪が積もっている。この雪は宵のうちに上がったのだろうか。それをおぼろに照らす月。
そして、今回の看板である、栖鳳の重文「班猫」(斑ではない)。まさに、日本画らしい日本画の猫である。これはキジ二毛であり、その体毛の遺伝子型は、ええっと、…忘れた。
他にも、私が知っている名前だけで、鏑木清方、前田青邨、上村松園、…。

展示室はそんなに広くないのだけれども、見ごたえがあった。次回展は奥村土牛なのだそうだが、それなら、今回のをもう一回見に来たい気がする。

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February 13, 2010

電気パン - 電気分解の応用として強引に(2)

予備実験の様子である。

Denkipan

牛乳の1L入り紙パックから、反応容器が2つ作れる。写真は、上半分を使い、屋根型になっている部分を切り詰めて直角に折り、包装用幅広テープで止めたもの。
接続ケーブルは、矢形の平たい端子と目玉クリップを使って作った。世間ではみの虫クリップを使っていることが多いようだが、AC100Vで1Aを流すので、それでは危ないと思う。
ホットケーキミックスは、150g一袋に対し牛乳(または水)を100mLと卵1個を加えろという指示であった。卵も牛乳もないので、水120mLだけを入れてやってみた。これでちょうど良い感じであった。生徒たちには、紙コップにマジックで120mLの高さに線を引いたものを配った。
電極のステンレス板は、高さ10cm足らずである。この高さに合わせるように紙パックを切らせる。ミックスは3倍くらいにふくらむ感じなので、最初に入れる量は下の方に少しでよい。元のミックスの量で50g相当くらい。

なお、理科教材としての電気パンについては、杉原和男さんのページの記述がとても参考になる。 ここ など。


いよいよ実験の開始。

本来、化学実験室は口にするものを取り扱う部屋ではない。ここはきちんと配慮する必要がある。

  • 雑巾で実験台をきれいに拭かせた後、雑巾を回収し、あらたに食器ふき兼台布巾として清潔な新しい雑巾を配布した。
  • ステンレス板は、「新しく買ってきた食器を最初に使うときに洗う感じで」きれいに納得いくまで磨くこととし、食器用の洗剤とスポンジを配布した。

通電を始める前に、少し、板書しながら講義を行った。

  • ふくらし粉のはたらき。炭酸水素ナトリウムの熱分解の化学反応式。生じる炭酸ナトリウムの、塩基性物質特有の苦み。市販のふくらし粉には、これを緩和するために酒石酸塩などが混ぜられていること。
  • パンがふくらむ理由。エタノール、二酸化炭素の発生。これからつくるのは、パンではなく電気蒸しパンであること。
  • 直流と交流。

    「え、交流って、知らない?ねえ、君たち、ドライヤー使うときに、コンセントにプラグを逆向きに差し込んだら髪の毛がぶわ~って吸い込まれちゃうとか、そういうこと、ないでしょ?」
    「あぁ、あぁ」

  • このホットケーキミックスの生地に電流が流れるのはミックスに食塩が加えられているためだが、食塩を直流で電気分解すると何が生じるか。この反応はこのあいだ教室でやったが、そのようなものは食べられない。しかし交流だと、生じた物質がすぐに逆反応で元にもどるらしく、電極表面もほとんど変化がない。

    「さっき、予備実験でできたパンの端っこにKI水溶液とフェノールフタレイン溶液をかけてみたけれど、塩素は検出されなかったし、強塩基性でもなかった。念のために電極板に触ってた部分を厚さ5ミリくらい切り落として捨てれば、食べても大丈夫です。」
    「やっぱり、化学だ」

  • 電圧とは何か。電気量とは何か。100V、1Aで15分間通電したときの電気エネルギーを計算すると。
やってみると、失敗する班がある。言われているように、ミックスを丹念に混ぜすぎるとこういうことが起こるようである。天ぷらの衣のように、ダマがまざってぽってりとした状態の生地でやるとうまくいく。
また、2回目3回目でうまくいかない班がある。これは、1回目のあとで電極板を洗わずに使っているため、電極板上に気泡があって電流密度が上がらないことが理由のようである。
ブルーベリージャムを用意しておき、各班、1回ずつはこれを混ぜ込んで焼くようにと言ってある。ジャムは紫色であるが、緑色の生地の蒸しパンとなって焼き上がる。これはふくらし粉の弱塩基性のためであって、紫キャベツの色素も同じ変色を示すことを、書画カメラとプロジェクターで全員に示してやる。
交流電流計を1台だけ物理から借りてきている(昭和37年度理振備品)。希望する班に使わせ、1A程度の電流が、水蒸気の発生がおさまってできあがるときには0.5Aを下回るようになることを確認させた。

あっさりと終えてしまう班もあれば、トラブルが起こって時間がかかるところ、またシロップの他にチョコチップや干しブドウまで用意してきて盛り上がっている班もある。
講義に時間を取ったこともあり、予定の2コマで終わりそうもなくなった。職員室に駆け込み、次の7校時の担当に掛け合って、とりあえず1コマを融通してもらった。3コマ連続の電気パンフェスティバルという予定外の事態になってしまった。

生徒たちは、おおむね満足した様子であったし、こちらも、この教材としてはかなりの「科学的」項目を入れ込んだつもりである。3時間を費やした価値はあった、と思うことにする。

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February 12, 2010

電気パン - 電気分解の応用として強引に(1)

「1組にくらべて、試験前に時間数が多いから、実験をやろう。酸化還元の応用で、スライドガラスを使って鏡を作るのはどうだ。」
「先生、うちのクラスは電気パンやんないんですか」
「あれ、電気パンのほうがいい?うーん。じゃあ、みんなで決めるか。ホームルーム委員さん、みんなの意見をとりまとめてきてください。」

翌日、ホームルーム委員が律儀に全員の希望を聞き集計して持ってきた。25対15で電気パンであった。やや、残念である。

この、電気パンなる不思議な「実験」を、私はパソコン通信で知った。「化学の広場」か「教育実践フォーラム理科の部屋」である。当時、これは実験なのだろうか?という違和感を覚えた。現在でも、その気持ちは基本的に変わっていない。さっき、年長の同僚から、

「食い物につられてやる、最低の実験だ」

とはっきり言われたのだが、言われながら私もそうだと思っているから、言い返せない。
それでもまあ、成り行きでやることになったのだから、私なりの味付けをほどこして、なるほどこれは化学の実験だ、得るところがあった、と生徒に思わせて帰すように段取りを考えるわけである。

近所のスーパーや100円ショップへ出かけ、ホットケーキミックスを2.4kg、ボウル、紙皿、割り箸等々を仕入れた。生徒たちには、牛乳パックを1人1つとシロップ類を持ってくるように指示。
昨日、休日出勤して、接続ケーブルを11本製作した。ハンダ付け44カ所。電極に使うステンレス板を、大きな板から金切りばさみで切り出した。22枚。
そして当日の今日は、朝から予備実験と準備に励んだ。予定は5・6校時の2コマであった、のだが…。

(以下はまた明日)

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February 11, 2010

教室で電気分解

3年の授業がなくなり、その分の負担が減っている。それで、1年化学のほうの授業展開を新しく工夫し、いろいろとやってみることができる。
一昨日、昨日と、2つのクラスで教室で電気分解を行ってみた。実験室へ移動すると1コマ単位で授業を喰ってしまうが、教室でやれば講義・演習と組み合わせて進行することができる。

電解装置はH字型の普通のもの。上下4カ所がゴム栓のタイプで、下には白金電極付きのゴム栓をつける。ここへ10%食塩水を入れてセットした状態にしておき、教室へ持っていく。電源は単1乾電池4個直列の6Vである。
塩化銅の電気分解について説明する内容と並行して電気分解をすすめる。5分か10分ほど。
陰極から出てくる気体は勢いが良く、これに対して陽極から出てくる気体は少なく見えて、また水に溶けるので上部にたまる前に見えなくなってしまう、というところまで説明する。装置を持って教室を一巡し、生徒たちに反応の様子をよく見せる。
電池の接続を外して反応を止める。電解液の誘導ゴム管をダブルクリップで止め、陰極側上部のゴム栓を外して、陰極側の溶液を試験管12本に分け取る。ゴム栓でふたをし、今度は陽極側のゴム栓を取って、同じように溶液を試験管12本に取る。
生徒を6班に分け、机を向き合わせてくっつけさせる。
各班に、さきの試験管を、陽極側2本、陰極側2本ずつ配る。他に、フェノールフタレイン溶液とKIの1mol/L溶液も滴ビンに入れて配る。
陽極側、陰極側の液それぞれに、フェノールフタレイン溶液とKI溶液を滴下させる。試験管には色分けしたビニールテープを組み合わせて貼り付け、「陽極」とか「p.p」とか書いてあるから、どれがどれだか?という事態にはならない。
4本のうち2本で色の変化が起き、
  「陽極」+「KI」が茶色に変化
  「陰極」+フェノールフタレインが赤色に変化
となる。
また、陽極側の液のにおいを嗅がせ、「プールににおい」「消毒のにおい」「塩素臭」などという発言を得る。
以上より、陽極側でCl2が生成し、陰極側でOH-が生成していることが確認されたとする。
塩化ナトリウム水溶液の電気分解であり、白金電極を使っているから、反応する可能性のある化学種は Na+、Cl-、H2O しかない。これより、両極で起こる酸化還元反応の半反応式、全体のイオン反応式、全体の化学反応式を考えさせる。
以上の内容は、あらかじめワークシートを配布してあって、そこへ記入していくようになっている。

この内容で、急ぐと1コマ、生徒たちに相互学習させながら質問を受けたりしてゆっくりやると連続2コマを要した。
この授業を終えて、私はなかなか良い感じの充実感を得たのだが、生徒たちの顔は、そんなに晴れ晴れとしたものではなかった。難しい、分かりにくい単元を、現実の反応をを目の前に突きつけられながら、これでどうだ!とばかりに理解することを強要された、という感じだったようにも見えた。

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February 07, 2010

ルノワール展 国立新美術館

 国立新美術館でルノワール展を見てきた。「通俗名画だ」とか「日本人は好きだよね」などとけなす向きもあるけれど、きれいなのだから、いいじゃないかと思う。

 この画家は、異端としてスタートし、印象派を経て後に離れ、そして作品を国家買い上げされるほどの巨匠になった、ということになっている。その国家買い上げになった「ピアノを弾く少女たち」も、たしかどこかで見ている。そごう美術館だったか。
 このような、「印象派」展ではなくルノワールだけの展覧会で多くの作品をながめていると、作風の移り変わりがよくわかる。私が好きなのは、1890年前後、彼が50歳頃に若い女性を描いたものだということが改めて意識される。いわゆる真珠色の時代であり、女性の白い衣服や帽子が画面上で輝いている。
 裸婦像は、あまり好きではない。これほどの画家なのに、まさか、デッサンが狂っている?と感じられるほど、体型が豊かにデフォルメされているように思われる。それで、絵と向き合っていても、あまり引き込まれない。
 今回、画面を科学的に分析した成果がいろいろ示されていた。X線撮影により、裸婦像の輪郭が何度か書き直されていることがわかったのだそうで、なるほどやっぱり、と思う。

 図録が欲しかったが、同じようなものを今までにいろいろ買ってもちっとも開いていないしと思って、購入は見送った。帰宅し、それらのうちの一冊を開いて、今日も見た、ポーラ美術館所蔵の「レースの帽子の少女」1891 をながめている。

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