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January 30, 2010

炎色反応RGB

休日出勤して、生徒実験の条件を検討。

炎色反応を、楽に、きれいに観察させるにはどうしたらよいか。
成書に従い、ステアリン酸とメタノールでゲルを形成させ、そのときに目的の塩を抱き込ませるようにする。そうして作った試料を呈色皿に少量ずつ並べて乗せて(ここだけが私の工夫 (^^; 点火。

Srcukrgb

左が塩化ストロンチウム、中央が塩化銅、右が塩化カリウムの発色である。教科書的には、ストロンチウムが赤色(紅色)、銅が緑色、カリウムが紫色の発光を示すということになっている。純度の余り高くなさそうなステアリン酸をたくさん入れているので、カリウムの紫はナトリウムの黄色にマスクされてしまうのではないかと思ったが、意外にちゃんと見えている。

それで。
何枚も続けて写真を撮った中に、下のようなショットがあった。意識していなかったのだけれども、これはRGBの順番になっている。たまたま炎が高く燃え上がり、3つの発光が混ざったところが、見事に白色になっている!これは、自然の加法混色だ!!
… いや、おそらくは、明るい緑色が白とびしているのだろうけれども。加法混色の説明に使うくらい、方便として許されるか?

撮影は、SONY DSC-F77。トリミングと縮小以外の調整はしていない。

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January 27, 2010

センター試験問題を追試

センターの追試ではない。先頃行われたセンター試験に出題された実験を追試してみたのである。

2010年 大学入試センター試験 化学I
第4問 問5:

Center1045
解説は以下のようになる。

(1) 正しい。はじめの油滴はニトロベンゼンであるが、これが還元されてアニリンになる。これが塩酸塩になると水溶性となるので水層に溶け、油滴がなくなる。

(2) 誤っている。白色沈殿は水酸化スズ(IV)であり、過剰のアルカリで錯イオンとなって溶ける。このとき、アニリンは塩酸塩でない遊離の形となり、水に溶けなくなる。ただし、アニリンの密度は水とほぼ同じなので油層として分離せず(水溶液中で生成しても、浮くことも沈むこともできない)、白濁する。塩濃度が高ければ浮くかもしれない。

(3) 正しい。エーテルのほうが低密度である。

(4) 正しい。溶媒抽出し溶媒を飛ばして目的物質を得るのは一般的方法である。

(5) 正しい。試薬ビンのアニリンも、古いものは着色している。

3年の授業も、今日と明日を残すのみとなっている。二次試験レベルの入試問題を演習するよと予告しておいたのだが、今日の前半はこの問題の実験を実際にやってみせることにした。生徒実験ではなく、演示である。

試験管に、粒状のスズを3g取る。そこへニトロベンゼン1mLを注ぐと、ひたひたになる。
濃塩酸を5mL注ぎ、振り混ぜる。温めるまでもなく、水素ガスが発生して反応がどんどん進む。発泡が激しくなり吹き出そうになったので、用意しておいた氷水に入れて冷やし、反応の激しさを調整する。
塩化スズをたくさん含む濃厚な溶液となり、全体が灰色に濁る。発泡が続くが、油滴が消えたところで、反応混合物を駒込ピペットで吸い出し三角フラスコに移す。スズだけ試験管に残す。
6mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加える。はじめ、白色のぼそぼそとした固体がたくさんできるが、水酸化ナトリウム水溶液をどんどん加えていくと、この白色固体は溶ける。
この状態で、溶液は濁って濃厚な感じ。黄色い油滴が出てきた。アニリンであろう。水層の密度が高いので浮いてきたと思われる。
ここからは、エーテルを使う。この部屋は裸火で暖房しているので、ここではできない。私は器具を持って廊下に移動し窓を開ける。生徒たちもついてきて、寒い廊下で私のすることを見ている。
溶液を分液ロートに移し、ジエチルエーテルを加える。黄色い有機層が濁った水層の上に浮く。分液ロートを振って見せる。水層と有機層に分取するところは、すでに化学科に進学が決まっているという生徒にやらせてみた。
有機層、これはアニリンのエーテル溶液であるが、センター試験問題文のようにただエーテルを飛ばしてもアニリンだけをきれいに得ることはできない。エーテルが含んでいる水を除く必要がある。無水硫酸ナトリウムを加え、三角フラスコの底に、水分を吸ってべっとりとくっついた様子を観察させた。

こうして、問題文の実験を追試した。間違っているわけではないが、実際の実験では少し気をつかわなければならない部分があることなどを含め、この有名な反応を見せておきたかったのである。

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