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August 08, 2009

「湖のほとりで」を見てきた

時間が取れ、「湖のほとりで」を見てくることができた。銀座テアトルシネマにて。

原作は、Karin Fossum の Don't Look Back であるらしい。Karin Fossum はノルウェーの作家で、この作品はフィヨルド沿いの村を舞台としているのだそうだが、アンドレア・モライヨーリ監督は、北イタリア山中の湖のほとりにある村での出来事におきかえてこの作品をつくっている。

表面的には、殺人事件の捜査を追うストーリーである。その意味ではサスペンスもの。最後に犯人が明らかにされるまで、謎解きの興味は引っ張られる。
しかし、本当のテーマはおそらくそれではない。登場人物たちは、それぞれ、事情を抱えていて、それゆえの悩み、「説明の困難な自己」とともに生きている。刑事から見れば、殺人事件の嫌疑をかけたくなる人物が次々と現れることに。そして捜査の指揮を執る刑事自身にも、自分の娘に対してすら説明できない病状の妻がいる。

登場人物たちの経歴や事情、心情がだんだんと明らかにされる。また被害者が自ら納得しあるいは望んで死んでいったのであろうことも示される。殺人の犯人はとりあえず確定するが、すべての事実が語られることはない。
いっぽう、刑事は、妻の病状、現状を娘と苦く共有することになる。

美しい湖畔の風景のなかで、人間のありさまを静かに描く。描ききれるものでもない。そうかわかった、という爽快感を与えてくれる映画ではないから、たいした作品ではないとか面白くないという人もいるだろう。
でも、すべての観客に分かるまで説明するのはサービス過剰だとも思う。どこまで理解し受け止めるかは、こちらの責任なのではないか?

中編の純文学の小説を読み終わったあと、静かに沸くものが心に残るような。そんな感じ。

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