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August 05, 2009

「ポー川のひかり」を見てきた

イタリア映画「ポー川のひかり」を見てきた。エルマンノ・オルミ監督。岩波ホールにて。

冒頭、イタリアの伝統と格式のある大学図書館で、蔵書が床一面に投げ出され太い釘で打ち付けられている。これは、若き気鋭の、女子学生に人気のある哲学科教授の犯行であった。この教授、イスラエル出身のラズ・デガンが扮しているのだが、その風貌にはキリストを思わせるものがある。
インドからの女子留学生との親密な会話。イタリア語での会話であるが、私が気がついた限りで、双方とも1回ずつ英語でセリフを言っていた(違うかも知れない)。これはなぜか。宗教的に有名な言い回し、具体的には新約聖書のことばを引いている部分なのかもしれないのだが、私にはわからない。

教授はBMWに乗って遁走する。ポー川近くに車を乗り捨て、自殺を臭わせる偽装工作をする。しかし人目を避けて山に入るでもなければ出国するのでもなく、ポー川河川敷に長年住み着いている住民たちと、不思議な共同生活に入っていく。

ヒロインは出てくるし、警察も来るし、大学の上司である司祭との論争もある。でも、それらについては、いいだろう。

私はキリスト教徒ではないし、また宗教についてよく知っているわけでもない。だから、この映画に頻繁に出てくる、キリスト教的「お約束」の数々に対しては、納得したり楽しんだりということができない。これは「最後の晩餐」の形だ、ということがわかるくらいのもの。
数々見られるツッコミどころについては、これは寓話なのだ、の一言で済まされてしまうのだろうか。

などなど、けなすようなことばかり書いてきたけれども、私は、この映画は好きだ。
川の映像が美しい。先行するブログをいろいろ読むと、ここは退屈だという評もあるが、私はそうは思わない。
コミュニティの住民たちの、素朴さ。
見ていて、ほのぼのとしてくる。
教授は、住民たちに説話を聞かせ、その風貌もあいまって「キリストさん」と呼ばれるようになる。キリストに限らず、宗教あるいはその一派の開祖とされる人々は、このように、民衆に語りかけ、尊敬されていたのだろうなと思う。

良い映画を見た。同じくイタリア映画の「湖のほとりで」も見たいのだが、見に行けるかどうか。

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