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June 25, 2009

副尺を使う読み取り

化学IIの実験。観点別評価があるので、レポートを書かせなくてはならない。

今回の題材は、「化学反応式と物質量・気体の体積」である。金属マグネシウムと塩酸の反応で水素を発生させ、マグネシウムの質量から計算される水素の体積と実測値を比較するというもので、特に見るべき所のない平凡な内容とも言える。
ただし、以下のような点について曖昧にせずしっかり取り扱うことで、生徒たちにとって十分歯ごたえのあるものとした。

  • 2~3名の班ごとに、精密天秤をもちいてマグネシウムを0.01gの桁まで秤量する。この際、副尺を用いて値を読み取る。
  • 発生する水素は水上置換でメスシリンダーに集め体積を測るが、値は水の蒸気圧を考慮して補正する。
  • 水槽の水面とメスシリンダー内の水面の高さの差をはかり、圧力差として補正する。
  • 班ごとに、水銀気圧計で大気圧を測定し、その数値を用いて気体の状態方程式より理論上の体積を計算する。

以上について、あらかじめ写真を用意してそれを投影しながら説明し、そののちに実験とした。
私はずっと天秤室にいて、順にやってくる生徒たちに気圧計の読み方を指示していたので実験室にはいられなかった。それでも、生徒たちはそれぞれきちんと実験に取り組んだようである。

Gas_vol

特に、副尺の扱いについて。
私たちの年代の者は、中学校の技術家庭科で、ノギスやマイクロメーターの扱いを習い、そのときに副尺(バーニヤ)の読み方を身につけている。しかし、おそらく現在の30歳くらいより若い人は、そうではない。技術家庭科の内容が男女共修のものとなり、また技術分野もコンピュータ関係の時間が増えてきているので、もはや復活は望めないだろう。その一方で、大学の理系学部では、副尺を用いて値を読み取ることは、当然ながら必須の技量である。ならば、これは普通科高校で扱わざるを得ない。本当ならば国民的素養であると言いたいのだが、せめて、理系大学進学者には…。(工業高校ではもちろんやっている。)

部活と行事に燃え、そのあとの受験は塾や予備校にペースを作ってもらって最短コースで得点力を付けて乗り越えようという者もいる。そのような生徒には、こうした泥臭い実習は、あまり歓迎ではなかろうと思う。
でも、ね。こういうことを経験しておくことは、きっと、何かのときの力になる。
それより何より、面白いでしょ、こういう実習。そう思わないか?

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