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March 29, 2009

高校化学を何とかしないと(年会3日目)

29日(日)。会期の3日目。まだ明日もあるのだが、私は今日までにする予定である。

午前中は、化学クラブ研究発表会の会場へ行った。これは第26回を数えるものであり、全国の高校化学クラブからの発表が2つの階段教室に分かれて行われている。口頭発表22件、ポスターだけのものを含め33件である。

午後は、化学教育有功賞の受賞講演を聴いた。
特に、東大生産研の渡辺正先生の講演はよかった。

このブログでもたびたび書いているが、渡辺先生は、高校化学の怪しい話・誤りについて長年にわたって指摘を重ね、ほとんど孤軍奮闘ながら少しずつ正してこられた。
何を正すのかというと、もちろんその内容なのであるが、そのためには教科書会社の編集担当、文部科学省の教科書検定官、あるいは指導要領を書いている謎のメンバー。こういう人たちの姿勢を改めさせることが必要なのである。これは、大変なことである。
今回は、ご専門の電気化学の分野で「ウソ」が書かれているという話だけでなく、大学レベルの学問につながっていかない、日本の高校化学にだけある不思議な事項についていくつも指摘された。これらについては、私自身が、高校ではなぜこんな役に立たないことがらを教えるのだろうかと長年思ってきたこととよく一致しており、全く同感であった。

このような現状になっているのはなぜか。
それは、文科省が学習指導要領なるものを出し、これには法的拘束性があるのだなどというプロパガンダが長いことおこなわれ、それに沿い決してはみ出さない教科書がつくられ、また指導要領を(学問内容ではなく!)研究して教える教員がいて、その範囲内におさまる入試問題を作成する大学教員がいる。という閉鎖的構造のなせるわざである。

これを打破するには。
中学・高校では、自然科学の力量をもった教員がしっかり教える。
大学では、指導要領や高校教科書の範囲などにとらわれずに、考える力を持った生徒が解答できるような問題で入試を行う。
こうするしかない。
私は、年会で初めて挙手し、高校の現状を話して渡辺先生に賛同の意見を述べた。

来年の春の年会は、関西での開催である。行けないかも知れない。
一緒に武田の奨励金を受けた神戸女学院中高の池田育浩先生は、昨日もうポスター発表されていたし。私も何かしないといけないのだけれど。

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Comments

確かに高校化学は教えを受ける側にしたら、繋がりが感じられなかったような。大学で勉強して初めて理解することが多かったと思います。

Posted by: haruzuki | March 30, 2009 at 14:18

いや、教える側にしてみたって、ぶつ切れの知識を脈絡なく扱うのはやりにくいですよ。私自身は、高校生の時には教わることを網羅的に覚えようとはしていなくて、そのまま大学に入って勉強し、さて教員になって授業をしようと思ったら知らないことがいっぱいあるので困惑したんです。こんなのいらないじゃないか?と思うんですよ。
でも、そういうのを飛ばして授業すると、「まじめ」な生徒が、それはテストに出ないんですか、なんて確認しに来ます。やりにくいです。

Posted by: aromatic Kam | March 31, 2009 at 22:20

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