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November 24, 2008

補習

今日は、出勤して補習をしてきた。

同じ学校の生徒であっても、学年が違うと、何となく気風も変わる。
昨年の今頃は、朝や放課後、また休日にと補習指導を求める生徒がたくさんいたのだが、なぜか今年は低調である。試験を控え心配になってきたので、1年化学を担当している2クラスに補習案内の掲示を出した。
例によって、2時間ずつ午前と午後の2回設定である。待っていたら、午前中に12名がやってきた。午後は6名であった。

今回は、試験範囲が広い。溶液の濃度、化学反応と熱、酸と塩基である。
まず、傍用問題集から試験範囲となる問題の番号を指定する。そして、それを解きながら、分からないところがあったら私を呼びなさい、と指示した。
質問を受けながら、これは全員でやる方が良いと思うものについて黒板で演習。また、用意してある花子の画像をスライド形式で映写して、反応熱の考え方や酸の電離度について説明。
そして、ここは実験室でありまた今日は少人数でもあるから、水酸化ナトリウムの溶解熱なども、実際に溶解操作をしながら実感してもらうことができた。

午前、午後とも、濃度と反応熱についてざっと扱うことができた。もっとやりたいが、これ以上は集中力がもたなくなるだろう。少人数の補習として、2時間程度の時間がちょうどよいと感じる。

この調子で面倒を見ようかという気になり、次回の約束をした。化学のテストまでは、あと週末が2回ある。今度は人数がもっと増えて欲しくもあるし、また、今日くらいの感じでていねいにやりたくもあるし。
まあ、とりあえず、起爆剤である。自宅で続きをやります、と言う生徒を見送った。

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November 16, 2008

過冷却と結晶化熱の検討

このブログの趣旨から外れるが、置き場として使う。整理できたら然るべき場所へ移動して、このエントリは削除するかもしれない。

過冷却と結晶化熱について検討した。具体的には、魔法のカイロとして売られている、繰り返し使えるカイロを意識した再現実験である。

Ch3coona1

ビーカーに、水50gと無水酢酸ナトリウム70g。80℃での溶解度を少し下回る量である。
これを、加熱して溶かした。

Ch3coona2

このように、溶けて透明になっている。温度はだんだん下がってきて、25℃くらいまでこのまま下がってくれるといいのだが。室温は17℃。

Ch3coona3

液面には、始めから少量の結晶が浮いているし、液面の上部の器壁にも結晶が付いている。これは仕方ないことで、いやだなと思いながら見ていた。
それが、50℃を少し下回ったころ、このように、温度計の周囲の液面から結晶が析出しはじめてしまった。

Ch3coona4

温度は少し上昇し、53℃くらい。ときどきかき混ぜたりしながら見ていたが、50℃に低下するまで20分ほどかかった。結晶化熱を放出しながら、少しずつ固まってきた。

では、液面とか器壁とか、そのような結晶の核になるようなものを排除できないか。実際、生徒に見せてもらった「魔法のカイロ」では、おそらく軟質塩ビ製の袋に、ただ溶液が入っているだけで性能を出している。

Ch3coona5

探してみたらこんな袋があった。ポリエチレン製のチャック付き。10cm×7cmで、溶液を75g入れてみた。
これをビーカーの水浴で加熱し、透明になるまで溶かした。

Ch3coona6

タオルの上に置き、間に温度計をはさんで様子を見ている。ビーカーでやるよりも安定な感じなのだが、

Ch3coona7

このように、チャックの部分から結晶の析出が始まってしまった。温度計の読みは、やはり50℃を切ったあたり。チャックの部分は厚みがうすく、温度はもっと低くなっているだろうし、チャックのあたりには気泡などの核になりやすいものもある。仕方ないか。

Ch3coona8

ビーカーのときと同じく、少し温度が上がった。だんだん固まっていく。手に持つととても温かく、このくらいでもカイロとして使えそうである。
ただし、一度温めてから、50℃まで下がったら発熱が始まってしまうのでは、実用にならない。20℃程度まで過冷却を保ち、使いたいときにショックを与えて発熱を開始させなくてはならない。市販品は、何でもないように見えるけれども、袋の材質や封入の仕方などに、いろいろノウハウがあるのだろう。

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November 15, 2008

三鷹高を訪問

昨日(11月14日)、都高情研・都立三鷹高の竹澤見江子先生からご案内をいただいていた、研究授業におじゃましてきた。

ちょっと拝見しただけの印象であるが、三鷹高は、かつての公立高校、特に多くの都立高校がもっていた良い雰囲気を、損なわずに今に伝えているように思われる。規定はどうなのか知らないけれども、事実上は制服がなくて、生徒たちは思い思いの服装で授業を受けている。廊下ですれ違う私に対し、全員が明るく挨拶してくれる。勤務校の生徒と似ているところもあり、違うところもあり。部活ジャージ姿は見かけないなあ。

Mitaka1

学校までは意外に時間がかかり、受付で記名しているときに3校時始業のチャイムが鳴ってしまった。少し遅れて教室へ入れていただく。
ここは視聴覚室なのだけれども、パソコンを入れて、情報処理室兼用になっている。こういう対応は珍しい。

Mitaka2

情報科の科目は、ここでは3年に情報Bを必修で置いている。
3年で必修というのは、これはなかなか、難しいものがある。(理由の詳述は省略する。)
そうすると、生徒に取り組ませるためには、中長期的に考えれば必要な内容だと納得させるか、または何より面白い、達成感のある科目だと思わせるか、といった手続きが必要となる。
私が拝見した3校時のクラスでは、このあたりは十分にうまくいっているようであった。席替え、二分探索法、などといった例題に、生徒たちはそれぞれのペースでよく取り組んでいた。

Mitaka3

授業進行は、この画面にあるように、首都大学東京の授業支援システムを使って行われていた。カスタマイズしてもらって使っているのだそうで、出席確認から、演習のひながた配布、作品の提出など、すべてこのシステムの中で行われていた。今日の授業でも、生徒たちはここからファイルを取り出して、コードを書き、保存したり提出したりという作業をしていた。

この学校は、数年後には中等教育学校へ移行することになっているのだそうである。つまり、小学校6年生が受験して入ってくる学校になる。学校の雰囲気は、どうなるのだろう。
都立学校の改革は急ピッチであり、そして、数年後に神奈川がそれを追いかける。気をつけて様子を見ていたいと思う。

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November 12, 2008

武田科学財団 贈呈式

武田科学財団から、奨励金の贈呈式を行うので出席されたし、という連絡を受けていた。
課業期間中の平日である。当節、授業を自習にして学校を空けるのはなかなか難しい。でも、今日は幸いなことに臨時の時間割で、3年の進んでいる方のクラスを1コマだけ自習にすればよかった。それで、出かけてくることができたのである。

会場は、(武田の地盤である)大阪ではなく、東京の都ホテルであった。
受賞者・贈呈者は、世界的レベルの医学研究プロジェクトから私のような高校理科教員まで、あわせて300人ちかい。ちょっとした規模の行事である。今年度の助成金総額は15億円だという。

昼食の時間が2時間半もとってある。松花堂弁当をいただくのだが、その最中に、グループごとに写真撮影に呼ばれる。高校理科は27名採択されたうち22名が来ているとのことで、出席率の高さに驚いてしまう。ホテルの写真スタジオで一同にっこりと写真に納まり、元の部屋へもどって昼食の続きとなった。
高校理科のみなさんは、それぞれ、「とんがっている」人たちである。大変に意欲的、活動的で、識見が深い。資料持参で取り組みの内容を説明してくれる人もいて、食事をとりながらの会話はとても楽しかった。

Takedafoundation1

広い会場で、贈呈式となった。数年前まで1人1人(職場や自宅に?)たずねて渡していたのだが、対象者が増え物理的に無理になったので、このような式にしたのだそうだ。
私の席にも、このようなものが置かれていた。立派なホルダーに入っている。

Takedafoundation2

記念講演は、武田医学賞受賞の3名。岩手医大名誉教授の藤原哲郎さん、東大教授の宮園浩平さん、京大教授の山中伸弥さんである。新生児死亡率を飛躍的に低下させた新しい治療法を開発し、国際的に評価されている藤原さんから、私より若くてバリバリの現役研究者である山中さんまで、有益かつ聞いていて楽しい講演だった。
山中さんの講演の座長は本庶佑(ほんじょたすく)さん。実は、本庶さんのお顔をなまで拝見したいというのが、今日ここへやってきた理由の一つであった。

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さて。この財団の研究助成に「高等学校理科教育振興奨励」が設けられて4年目となっている。
この間、贈呈を受けた施設数は、大阪が一番多くて19件であるが、これはいいだろう。北海道が8件、埼玉が6件というのも目を引く。東京が8件、うち都立高は3件。
これに対し、神奈川はわずか3件。県立は、今回の私の分だけである。

いや、オリンピックのメダル数競争でもあるまいし、もちろん数がすべてではない。
ただ、どうしてそうなっているのかについては、考えてみてもいいだろう。
問題点は、自ずから明らかである。教員が教育に力を注ぐ環境がととのえられていない、そういうことが、こうして数字に表れているのではあるまいか。

どうしたら、いい公教育を行うことができるか、そのために行政は何をすればいいのか。簡単なことだと思うのだが。

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November 08, 2008

実験用具を購入

チンダル現象などを見せるための器具などをととのえた。
10班ぶんである。

Colloidexpgoods

赤色レーザーポインタが10本。ネットオークションで輸入品を探した。
スチロール樹脂製ケースを30個。1班あたり3個あて。これは国産品で、メーカーのページから直接注文した。
左下に写っているのはアクリル絵の具のメディウムで、2社の製品。使いやすい親水コロイドの例として、同程度の効果がある。

細かな条件を詰めて、生徒実験を行おう。
そのあと、何か書かなくてはならない。「化学と教育」誌に投稿してみようと思っている。

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