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September 27, 2008

「絵画・墨跡と李朝の陶芸」展

五島美術館で開催されている、標記の展覧会を見てきた。

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五島美術館の展示室は、わずか一室である。手動のドアを押し開けて入ると全体が見渡せ、これだけ?と思う。でも、今回の展示品を見るのには、たっぷり1時間ほどかかった。
展示されているのは、東急開祖の後藤慶太氏が集めたもの。茶の道を極めるのに並行して、美術品の収集にも励んだらしい。

断簡を表装した軸物が目を引く。
「時代不同歌合絵」などは面白い。これは、生きた時代が違っていて、だから実際には対面できるはずのない人物の絵を対面するように配し、それぞれの代表的な歌を書き添えて、歌合わせに仕立てたものである。2幅出ていた。ほんらい、一巻物であったのが断裁されて散り散りになり、そのうちの2つがまたこうしてここで出会っている。
歌仙絵。後鳥羽院本など、いくつか。これも、歌仙と称される人の絵と歌の絵である。百人一首の読み札は、これのぐっと庶民的なお手頃版ということになるのだろう。

陶器は、井戸茶碗が面白かった。1つだけでなく、4つ出ていたから、井戸茶碗というのはこういうものなのかということが(ごくうっすらとだが)理解できた。
ところで、こういうものを見れば、どうしたって、落語「井戸の茶碗」を思い出す。故・古今亭志ん朝が得意としていたし、円菊もやる。この噺の中では、浪人をしている武士が、父が使いそして自分も毎日これで湯茶を飲んでいる、と言っている。しかし、この展覧会に出ている4つの井戸茶碗は、いずれも茶道用の茶碗の形であって、いわゆる湯飲み茶碗の形ではない。浪人者の武士が毎日使うのなら、少ない飯を茶漬けにしてすすり込む器であると言われれば納得がいく、そのような形なのである。
志ん朝のビデオテープを探して、見直してみようかなあ。

満足して見終わった。
庭園があり、ちょっと出てみる。でも、この庭園はこの台地上から多摩川の沖積面までずいぶん標高差があることがわかっているので、全体を歩くことはやめておく。

上野毛駅のホームへ降りる。上りの急行が、通過線を通っていく。狭い掘り割り構造のこの駅に、よくまあ、こんな通過線を新設したものだと思う。

雲行きが怪しいので、すこし急いで、帰宅。

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