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June 07, 2008

効果はあったのか?

今年度になって、3年化学IIの授業を、スマートボードを使って行ってきた。スライド投影と配付資料をもとに進行し、黒板は補助的に使うようにしてきたのである。
そして、ここまで20時間弱で、積み残しの有機化学を終わった。これを機に、授業形態を見直すこととし、生徒にも告知した。つまり、黒板メインの方式に戻し、スマートボードによる教材提示のほうを補助とするわけである。

その理由は、要するに、思ったほど効果が上がらなかったから、ということになる。

この方式を導入したのは、もちろん、生徒の理解度を高めようという狙いからである。私が黒板に書く文字や式よりも、あらかじめスライドを用意してきちんとした図や写真などを仕込んでおけば、効果が上がるだろうと考えた。
ところが、文字であればパワーポイントでつくるスライドをスマートボードに投影するよりも私の板書の方が読みやすい(ノートに取りやすい)ようであるし、化学式の類でもそれは同じであった。
写真や動画だけを用意して提示すればそれで十分なのであるが、そもそも化学実験室なので、本物をどんどん持ってこられる。写真を提示するような場面も少なかった。

また、生徒たちは、自分のノートをつくるのに苦労していた。配付資料をていねいに切り取ってノートに貼り付け、私がスマートボード画面上に書き加えていく事項を筆記するなどと工夫していたが、なかなか、ペースをつかみかねている様子であった。

前期中間テストの結果は、昨年と同じ。実は平均点が何点か低かったが、差は有意ではないと判断した。生徒の理解度は、上がらなかったのである。

もう一つ、この方式に期待したことがあった。それは、文字や構造式などを黒板に筆記する時間を節約して授業の進行を速くしようというものであった。ところが、これについても、まったく目論見がはずれ、昨年と同様のペースでの進行となった。
つまり、私たちは生徒の理解度をリアルタイムに計測しながら授業速度にフィードバックしているのであって、こちらが勝手にしゃべっているわけではないのである。だから、板書する時間を削ってみても、その間は生徒たちは頭を使っていたわけであるから、教材を理解するのにかかる時間を短縮できなければ、授業進度は速くならない。考えてみればあたりまえである。

そういうわけで、「上手く使えば授業が変わる!」と意気込んで取り組んだのだけれども、いまのところ、成果は出ていない。
もう一つの客観的指標は、生徒による授業評価の数値である。これについてはまもなく前期分が行われるから、また、昨年の数値と比較して検討してみたい。

続きはこちらへ。

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Comments

冷静な分析と、思い切りの良い判断はさすがです。
私も書き込み授業を進行中ですが、とても年度途中で結果を出すまでには至りません。
また、生徒にも書き込みをもって、授業中に理解しようとする生徒はあまりいない状況ですので、考査を行ってみて、試験勉強がしやすかったかどうかで判断することになるでしょう。
いずれにしても、教育という営みは教師と生徒の呼吸に存在するというところでしょうか。
Kamさんのさらなる授業展開に期待します。

Posted by: 田中 洋 | June 08, 2008 at 16:35

本文中に書きませんでしたけれど、テスト平均点は変わらなかったものの、
・寝てしまう者が増えた
・テスト高得点層が減った
という結果も出ているのです。これは、このまま続けていくのは、むしろ良くないだろうと判断しました。教材作りの苦労に見合ってないとも言えますしね。
それはおまえのスライドがへたくそで見ていられないのだろうというツッコミは当然あろうかと思います。そのあたりを含め、夏の全国大会でポスター発表しますので、おいでになってください。

Posted by: aromatic Kam | June 21, 2008 at 23:45

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