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March 15, 2008

ルノワール+ルノワール展

文化村ザ・ミュージアムで開催中の、「ルノワール+ルノワール展」を見てきた。

私たちがふつうルノワールと言うと、画家の Pierre-Auguste Renoir のことを指す。しかし彼には3人の息子がいて、特に次男 Jean は映画監督として名をなしている。
この展覧会は、父と、主にこの次男との業績を対比しながら鑑賞できるように企画されたものである。

業績の対比とは、具体的にはどういうことなのか。

会場に、ジャンの言葉があげられていた。正確に覚えていないが、自分の人生は父が自分に残したものを確認していく作業だった、といったような意味だった。
そして、会場の展示は、もちろん父の油彩画が多くを占めている。そのところどころに、会場内の天井から吊り下げられた液晶プロジェクター(SANYOだった。台形補正がきれいに効いていた)から息子ジャンの映画が投影され、その画像と父の油彩が並べて鑑賞できるように配置されている。父の絵と、それをモチーフとして取りこんでいる息子の映画の1シーンなのである。

絵画でも映画でも、あるいは文芸作品でもそうだが、モチーフが人から人へ継承されるということがある。この場合、父と息子であるから、一緒に過ごした時間は長く、受け取ったものは多かっただろう。だからこそ、こうしてこのような展覧会が開かれている。

すばらしい作品、それを生み出した才能をくさすつもりはない。ただ、それらの作品というものは、一個人が本当にゼロから作り上げたということはあまりなくて、多くは先人たちからの有形無形の財産をひきつぎ、その上に存在するものなのだ。
今日は、そういうことを、強く感じた。

余談であるが。
「帽子をかぶった若い女」の絵があって、原題がたしか、"jeune femme au chapeau" となっていた。
そうか、シャッポを脱ぐというが、そういうことなのだ。

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