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December 16, 2007

情報デザインワークショップ

沼部から東急多摩川線に乗り、蒲田へ。日本電子工学院といっていたころから眺めてきたが、はじめて工学院専門学校の校舎に入る。情報デザインワークショップの発表を見学させてもらうためである。

まず、VXさんのブログ記事をお読みいただきたい。ありがたく共通理解部分とさせていただき、その上で、私は好き勝手なことを書こうと思う。

この企画ですごいなと思ったのは、2つの専門学校の学生がまぜこぜ一緒になって6つのチームを作り、課題に取り組んでいたことである。高校レベルで考えてみると、学校間の交流というのはスポーツの試合にしろ文化系のコンクールにしろ、学校対抗の色彩が強い。それが、このように共同して仕事ができるというのは、すばらしいことである。

さて、中身は、情報デザインについてである。おおざっぱな課題が3つ与えられ、作品というのかソリューションというのか、とにかく具体的提案をつくりあげてプレゼンテーションするわけである。
プレゼンの手腕については、まあ、あんなものかと思う。ただ、Flashを自在に操っていたり、何かプログラム言語をつかって実際に動く物を作っていたようだから、こういう面についてのスキルアップについては、これまた大いに感心したところであった。専門学校に入って半年の学習というのは、なかなか大したものだと思わされた。

ただし。(それについては見るなと言われているのだが)成果物は、いささか残念なものであった。いや、技術が、ではない。発想、あるいは着眼点に疑問があるのである。

道案内を、携帯電話端末あるいはPDAタイプの小型電子機器を使って行おうという発表が3つあった。でも、なぜ、わざわざ小型電子機器端末で行わなくてはならないのか。十字カーソルと小さい画面の文字やボタンというインターフェースは必ずしも使いやすいものではない。それより、例えば道案内のサイン、ピクトグラムの革命的改良といった発表がなかったのはなぜなのか。
そういうことを言うと、「それはオジサンの発想だ」と言われる。それは、その通りである。認める。
しかし、では、例えばこの画面の色づかいが見にくいという指摘を受けたとき、「それは色盲の発想だ」という返事で切り捨てることがあり得るのだろうか?
仮にも情報デザインという文言を冠する発表である。ユニバーサルなデザインという視点を欠いて、情報デザインはあり得ないと私は考える。

こうなってしまったのは、「ペルソナ」という名前で呼んでいたが、仮想的な対象モデル人格を考えて、その人格がこのような状況下に置かれたときにこのような行動を取るだろう、問題点があるだろう、それを解決するには、…というスキームでこのプロジェクトが進められており、その「ペルソナ」が、学生たちにイメージしやすい、自分たちと等身大の人格である、というところにその原因がある。自分たちならば、何でもかんでもまずケータイで、というわけである。
そして、その結果として、年齢的・電子機器スキル的に適用範囲の非常に狭い、まったくユニバーサルでないデザインの作品が並んでしまった。作品を見るなと言うが、こういうものを作ったという経験は、学生たちに残っていく。

ということは。
大変失礼ながら、これは、指導者の責任であろうと思う。結果として、あまりよろしくない提案が出てくることが明らかに予測できるようなスキームで、学生にプロジェクトを進めさせたのであるから。

****************

数年前、慶応大学の大岩元先生の研究室で、お話を伺ったことがある。大岩先生は、E社のプロジェクタを操作しているのだが、ボタンをいろいろと押しても、なかなかご自分の思うような操作ができず、困惑されていた。
そして我々に対し、こうやって日本の機械は使いにくい、使いやすいデザインをちゃんと考えてる技術者が日本には全然いないのだ、とおっしゃるのであった。

まさに、そういうことだと、今日、あらためて思った。

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Comments

適切なご指摘です。使いやすさとしては、ユーザー評価をしているのですが、ソリューションが決定した後なので、小手先の改良だけです。デザインの本質まで短時間でできていないということと言い訳しておきます。その意味では、本当の製品・ソリューションをデザインしたことがない私がやっているという問題を見透かされています。

Posted by: rshima | December 18, 2007 10:23

コメントありがとうございます。率直なおことばに敬意を表します。
一昨日、最終の発表を拝見しました。そのあとでネット上の記事をいくつか探って読み、学生さんたちが短い期間・少ない会合回数のなかで精力的に取り組んでこられたことが改めてわかりました。それでも、しがらみなく、感じたことを外部の目で書くのが私の役割かと考えまして、このエントリをアップしました。失礼の段につきましては、ご寛恕を願います。

Posted by: aromatic Kam | December 18, 2007 23:40

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Tracked on December 17, 2007 07:20

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