« メスフラスコは中国語で | Main | メールの転送 »

January 22, 2007

ハガキ料金

このような郵便物が届いた。

Orihagaki

折りたたまれた紙が圧着され、見かけ上一枚の紙となって、郵送されてくる。端をつまんで開くと、保険の証書が出てくる。
このような大切な書類は、もう少しきちんと送ってもらいたいものであるし、保険会社の担当者だってそう思っているかも知れない。でも、経費節減という錦の御旗の前にはやむを得ないのだろう。

経費節減と書いたが、それはつまり、郵送料金の節約ということである。この郵便物は、おそらく、ハガキ料金で届けられているのだろう。封書料金との差額が節約分ということになる。そういう需要があるから、このような不思議な「ハガキ」も開発され、大いに使われているわけなのだが。

しかし、私は、どうも釈然としない。

そもそも、封書もハガキも、郵便という人手集約型事業においては、一通当たりのコストはほとんど変わらないはずである。それでも料金に差があるのは、まさに「葉書」ほどの小さな紙片にしたためられた、人の目に触れても構わないような簡略な連絡文書について、特別にディスカウントしますよ、というほどの意味であっただろう。配送コストよりも、情報量を考えた料金設定なのである。
「郵便書簡」というものがあった(今でもあるのか?)。あれは、薄い書せんに要件を書き、折りたたんでのり付けし、封書の形にして差し出すものだった。重量はハガキと変わらなかったように思うが、料金は封書と同じ。つまり、人の目に触れないで宛先に届く文書は、封書料金だったのである。
私が物心ついた頃は、ハガキと封書の料金は1:2だった。5円と10円、その後7円と15円になった。それが、40円と60円という差を縮めた料金設定になったときは、コストのことも少し反映させたものだと聞いたように思う。

しかるに、昨今の圧着ニセハガキは、いかがなものであるか。保険の証書だとか預金の期日だとか、セキュアなものが、ハガキの顔をして送られてくる。
これは、本来のハガキ料金設定の趣旨を逸脱、もっと言えば、本来払うべき料金を不当に免れているのではないだろうか?

この先は、もうほとんどヨタ話になってくるのだが。
昨今、運輸通信業界は規制緩和による変化が激しい。郵便も「民営化」され、いろいろと苦しそうである。
ここで、「ハガキ」料金の適用についてうるさいことを言って客を新規参入業者に取られるよりは、利幅が薄かろうか赤字だろうが客をつなぎ止めて、郵便物全体の輸送量を確保しておく方が得である。などということが、ありはしないだろうか。

などと考えながら、圧着ハガキを受け取ってピリピリとめくるのは、非常に気持ちが悪い。
コストは、それが正当なものであるなら、かけるべきところにはきちんとかけてもらって良いと思う。その結果、保険料がほんのちょっと上がったりするのは仕方ないものとして受容しよう。

市場は万能ではないのだ。
教育だって。

|

« メスフラスコは中国語で | Main | メールの転送 »

Comments

郵便書簡(ミニレター)は今でもありますよ。
封書より20円安い60円で使えます。
あれだと、1枚ですべて済むので結構手軽に
使ってましたよ。

Posted by: とらのすけ | January 22, 2007 at 23:45

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/69195/49825608

Listed below are links to weblogs that reference ハガキ料金:

« メスフラスコは中国語で | Main | メールの転送 »