« 臨免 | Main | デジタル一眼レフカメラ »

December 07, 2006

普通の高校の「情報」

11月27日に、「高校と違う」というエントリを書いた。
投げやりな調子で書き捨てたような文章であったのに、3人の方からコメントやトラックバックをいただいた。
これは望外の幸せである。思い直して、少し書き継がなければならないだろう。
ただし、これについても、少しずつ切れ切れの投稿となってしまうことをお許しいただきたい。

ごく普通の高校で、情報教育あるいはコンピュータ操作を取り扱う教育が、どのように行われてきたか。
20年前までは、それは、PC-8001やPC-8801などを用いてBASIC言語をちょっとさわらせる程度のものだった。当時の私の勤務校では、3年の選択数学I演習の中に、数時間の実習が取り入れられていた。
それが、世間で、PC-9801シリーズで松や一太郎、またLotus 1-2-3を使うようになってきたときに、高校の授業の方も、そのようなアプリケーションソフトを操作する技能を修得することを内容とするように変わってきた。90年から95年ごろのことである。私の最初の勤務校には、90年に、生徒用コンピュータ実習室が作られ、98が20台入った。このとき、そのために理科の実験室が一つ、つぶされた。
この頃、誰がそれを担当していたのかというと、多くの場合、数学科の教員であった。数学科の選択科目の中にコンピュータ操作の内容を入れてみたり、また、「情報基礎」といった名前の学校設定科目を数学科につくって、数学の教員がそれを担当していたのである。あるいは、情報教育委員会のような委員会組織をつくり、そこが音頭を取ってカリキュラムや機器整備にあたっていた。この場合、他教科の教員が主導することもあった。

たしか96年か97年だったと思うが、当時の勤務校で、機器の更新があった。20台が、Windows 3.1 の386機からWindows95のPentium機に更新された。相変わらずNECの98であった。
このときは、インストールするソフトウェアを、現場から要求することができた。ワープロが一太郎、画像処理が花子、表計算が1-2-3、データベースが桐、プログラミング言語がビジュアルベーシック、と決めて要求し、それが入った。
これを使った授業は、3年の選択科目(だけ)であった。2単位で、初年度は2レッスンクラスが成立していただろうか。内容は、前期が一太郎で後期が1-2-3である。実教出版あたりの実習テキストを買わせ、それをその通りに打ち込んでいく授業であった。テストは実技で、見本となるA4横書きのビジネス文書を配布し、時間内になるべくその通りに似せて文書を作成してハードコピーを提出する、というものであった。TTサブの国語の教員が、見本と見比べながら採点していた姿を覚えている。
TTサブはいろいろな教科から出てきたが、これは担当時間数調整の性質もあった。責任教科は相変わらず数学科で、数学科自身はそれをいやがっている節もあったが、放り出すわけにもいかずに続けていた。
このように、ごく普通の神奈川県立高校での情報教育は、おおむね、(1) 3年の選択科目で、(2) 数学科の科目において、数学の教員が責任を持って、(3) アプリケーションソフトの技能修得を目標として 行われていたのである。

この状況は、教科情報の導入まで続いた。そして、「情報A、B、C」が始まってからも、ずっと、尾を引いている。

今晩はここまでとする。

|

« 臨免 | Main | デジタル一眼レフカメラ »

Comments

ああ,続きを書いてもらえるということでほっとしました。私の勤務校では情報教室は2003年までなかったので「当時」の苦労がわからないのです。今でもまだ教科情報は「パソコンの授業」という(部外者の)印象を払拭できずにいますが,当時はそれも仕方なかったと思いますし,それを引きずらさせられたがゆえの苦労も多々あるのだろうと思うのです。

Posted by: わたやん | December 08, 2006 at 01:07

TrackBackさせていただいた者です。続きを書いていただいて、大変うれしいです。ありがとうございます。私は90年代は理系大学生でしたが、大学でもようやくプログラミング教育としてC言語が注目されてきたころでした。一方、文系学科ではアプリケーション利用の教育が始まってきたころでもあり、高校でも大学でも大体同じような時期に同じような教育がされてきたのかなぁ、と思ったりもします。続編、期待しております。

Posted by: mkawano | December 09, 2006 at 10:43

こんばんは五十嵐です。お世話になっています。

私も大学の5年次(数学の免許を取るため自主留年)から教員採用の初年度までPC8801を使っていました。もっぱらCP/M上のPL/I とBasicでした。その後はパソコンから身を引いており、平成12年に情報の免許を取る直前からWindowsに接することになりました。この頃は浦島太郎の状態でした。
数学については「大学の物理で使う数学」を武器に一丁前の授業の自信はありますが、情報については、どんなに頑張っても追いつくことができません。「分からない」では生徒に申し訳ないので、先生同様追求の姿勢は維持するつもりです。

今後も情報交換や部会運営について、よろしくお願いいたします。

Posted by: VX | December 10, 2006 at 01:42

まとめレスにて失礼いたします。
3人の方々からコメントをいただき、大変うれしくまた恐縮しております。少しずつ駄文を書き継いでいくことしかできませんが、引き続き、オンラインでのお付き合いをお願いいたします。
(機会があればオフラインでもお会いしてみたいです)

Posted by: aromatic Kam | December 14, 2006 at 23:28

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/69195/12973600

Listed below are links to weblogs that reference 普通の高校の「情報」:

« 臨免 | Main | デジタル一眼レフカメラ »