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November 30, 2006

大学入試では高校で教えたことしか出してはいけないのか

きちんと構成を考え、その1章1章に相当するような文章を書いていきたいのだけれど、なかなか思うにまかせない。
またしても、とりあえず断片を記す。

例えば、「情報A」「情報B」「情報C」の内容の重なりが少ないから、入試に出しにくい、という話がある。大学の先生が、そういうことを書いていらっしゃる。
私は、それに対して、どうもひっかかりを覚える。ご自由に出題してくださって構わないのに、と思うのだ。

私事から入る。
私は大学にただ一校だけ受かったが、その入試科目は、以下のようであった。

国語(現代国語・古典I乙、漢文除く)75点
社会(日本史、世界史、地理Aから1つ選択)50点
数学(数学I・数学IIB・数学III)100点
理科(物理I・II、化学I・II、生物I・IIから2つ選択)100点
外国語(英語B)100点
私は、社会で地理Aを選び、理科で化学と生物を選んだ。

ところで、10月27日の記事に私が高校で履修した科目と単位数を記してあるのだが、上記の入試科目5教科6科目のうち、地理Aと数学III、生物IIは、私は履修していないのである。教科書を買って読み、問題集を解き、予備校の講習を聞いて、入試の準備をしたのだった。
当時の地理Aと地理Bの関係は、現在のA科目B科目のような違いではなく、系統地理と地誌という、異なる内容のものであった。そして、地理Aを履修させている高校は、かなり少なかったはずである。
しかし、私の母校となった大学では、あえてその地理Aを出題し、受験生は、自分で勉強して選択していた。
理科についても、高校3年の科目選択をするとき、生物IIは(実験はできなくなるけれど)自習しよう、物理IIは授業を聞かないと分からないだろう。そう考えて、選択履修科目と受験科目を、違うものにした。計画的にそうしたのである。

そういう経験をふまえて、最初に述べたような違和感を覚えるわけである。大学で、こういう素養をもった学生が欲しいと思ったのなら、そのような科目を選択受験できるようにすればよいのである。情報なら情報を、物理や化学と並べ、「情報A」「情報B」「情報C」に共通する内容、ではなくて、そのすべての内容から出題する、とすればいいではないか。それだって、重なりがあるのだから、4単位か5単位分。理科をI、IIとやれば増単なしで6単位なのだから、それでも少ないくらいである。あるいは、専門教科情報のなかから科目を指定してもいい。情報科学が好きな生徒だったら、こんな有利な制度はないと飛びついて受験するだろう。地学が得意だった私が、喜々として地理Aを選択したように。

学習指導要領に書かれている内容がどうの、とか、履修者の割合が、とか。大学側がどうしてそんな些末なことにこだわるのだろう、と不思議に思う。それこそアドミッションポリシーを骨太に定め、こういう内容を出すから勉強してこい、とメッセージを送っていただきたいものである。

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Comments

こんばんは.ほとんど賛成なんですが,1つだけ気になることがあります.
「学校に頼れる先生が居ず,(地方に住んでいて)情報が勉強できる予備校もない人」は不利ではないですか.
自分で全部自習できれば問題ないですけど.

Posted by: yansenmu | December 02, 2006 at 02:02

いつもどうも。
そうですね、予備校のあるなしだけでなく、勉強しようと思って本を買おうにも大きな本屋がないだとか、(情報科とか物理の電気で言えば)秋葉原なんて行けないからなかなかハードにも触れられないとか、そういう格差はありますね。
ただ、高校で履修している科目であっても、大学の出題範囲をちゃんと終わらせているかと言えば、そうでもないわけです。例えば化学で言えば、有機はもうできないから化学IIを選択して聞いてね、という取り扱いは普通なのですね。でも、化学Iしか履修しないでセンター受ければ有機は出る、その間は自分で埋めなくちゃならない。ここのところの事情は同じことになります。
結局、高校の授業では学習指導要領に書かれている内容を過不足なく取り扱い、大学入試問題はその範囲内でのみ出題されると、そういうことが担保されない限り、受験生の自助努力部分は発生するわけですから、それならいっそのこと、というのが私の主張なわけです。
どうでしょう?

Posted by: aromatic Kam | December 03, 2006 at 00:30

ただ,個人で質問に行ったときに「化学IIを理解し教えられる教員がいない」ということはまずありえないですけど,情報ABCだとあり得ます.

もちろん音大の音楽の入試とか,建築学科のデッサンの入試とか,対応できる教員がいないだろう入試はありますが.

Posted by: yansenmu | December 05, 2006 at 02:08

ああなるほど、そういうことがありました。
そうすると、予備校や書店の有無もそうですけれど、自助努力をしようにもスタートラインが公平でない、という問題がでてきてしまいますね、やはり。
大学では好きなことを出題してくれて良いなんて、そんなに脳天気に言ってしまえることでもありませんね。

Posted by: aromatic Kam | December 05, 2006 at 06:24

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