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August 29, 2006

入試における「学力スペクトル」

大学入試に情報を出題することに関連して、いろいろと考えている。まだまとまった小論にならないのだが、今日段階での、思考の断片を記しておこうと思う。

大学入試とは、何のためにあるのか。
それは、その大学、その学部学科において学習・研究をするにあたり、必要な基礎学力を備えているかどうかを判定する、ということになるだろう。

だだし、ここに、入学定員という問題がある。必要な学力を備えていながら定員オーバーとなるので不合格とする、あるいは、必要な学力に満たないと判定されるのだが定員内なので合格とする、ということが生じる。
基礎学力レベルの設定と入学定員とは、本来、うまく整合しない概念なのだろう。
ここで、入学定員の問題を除外して入試で判定される学力レベルを論じると、実際の入学者選考の場面と乖離し、議論に妥当性を欠いてしまうように思われるのだが、当面ここでは、この問題には触れないことにする。

さて、例えば、文学部の入学試験を考えてみよう。
私立大学の文学部では、入試科目として、一般に、国語(古文・漢文を含んだり含まなかったり)・英語・社会が科されている。社会(地歴/公民)については、日本史・世界史・地理・政経などから1科目選択して受験するというパターンが多い。
ここで、地歴/公民から1科目選択して受験すればよい、というのは、どういうことなのだろうか。まさか、文学部での学習・研究において、世界史で受験した学生は日本史の知識を持たなくて構わない、ということではなかろう。
ここはつまり、

日本史についても世界史についても、政治・経済や倫理についても、一定レベルの学力をもっていてもらいたい、しかし、それら全てを試験科目として科すことは(諸般の事情により)しない。1科目だけについて試験を行うことにするが、試験を行わなかった科目についても、それなりの学力を持っている、あるいは入学後に必要に応じて学習していけるものと期待し、入学させることとする。

という、大学側と受験生との暗黙の了解事項があるのだ、と理解すべきものであろう。

ここで、学生に要求される、さまざまな領域における学力を表すものとして、新しく学力スペクトルという概念を考えよう。英語、現代文、古文、日本史、世界史、地理、地学、生物、化学、物理、数学、という具合に科目が並んでいて、それぞれにスコアがついており、それが結ばれてグラフのようになったものというイメージである。
入試では、そのうち、実情に応じて何科目かの場所を設定して学力を測定し、それを結んだものが総合学力であるとして合格判定に用いられている、という考え方である。例えて言えば、入試の科目数とは、音声データをディジタル化するときのサンプリング周波数に相当するものだ、と考えるのである。

このとき、注目するべき点は、試験を行わなかった科目についても、スペクトルとしては値をもっていることである。測定点ではないが、左右の科目のデータから推定されて値が付き、それが採用されている形になる。

今日はここまで。
次いで、以上の考えに立ったところで、科目数を増やすこと、そして教科「情報」を入試科目とすることの意味を考えていくのであるが、…この先はいつ書けるかわからない。

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