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March 25, 2006

アメリカンアンティーク・キルト展

日本橋三越新館ギャラリーで開かれている、アメリカンアンティーク・キルト展を見てきた。

quilting展

本当は、妻と娘と3人で見たかったのだが、開催期間中に都合がつかず、私だけで見ることになった。
入場券があるので、先ほどの某研究会に出席していたメンバーに声を掛けたのだが、皆さん気乗りがしない様子であった。デザインだって、情報科の要素の一つなのだけれども。

展示されているのは、主に1800年代中頃から1900年代初め頃までの、アメリカのキルティングである。共立女子大学の所蔵品ということである。
新大陸に着の身着のままで移住し、開拓生活をしていた人たちにとって、布は非常に貴重な必需品であり、端切れを大切につなぎ合わせて使うことが行われたそうだ。そうなのだけれども、その中から、材料をぜいたくに使ったものや高い芸術性をもつものがあらわれて、それがこうして残っているということなのだろう。

私は、服飾文化についてはわからない。縫製の技法についてもあまり興味はない。
だから、もっぱら、色彩や図形の配置といったデザインの面から展示物を見てきた。

図形の配置は、基本的には対称性をもつようになされている。形だけでなく、そこに採用される色彩についても、対称性をもつように選ばれている。見ていて、安定感があり、落ち着く。
ところが、よく見ていると、どうしたわけかわずかに対称性が崩れるような色彩配置が行われている箇所があったりする。これはその色の布が不足したのか、それにしてもなぜ、と思っていたら、別の作品のところに解説があった。「完全なものは神様だけ」ということわざに則って、わざとそのような場所をつくっているのだという。
へえ。日本でも、萩焼の茶碗の糸底をわざと切り欠いたりするが、…それとは違うか。

星の図柄が多い。キリスト教の教義にちなんだ物らしい。
その星が、たしかにまたたいて見える作品がある。中心が濃紺、そのまわりが黄色、という具合に、色相・明度の差の大きい色を配置することで、そのような効果を出しているのだという。
じっと見ているのに、星がまたたく。これは、視線の微細な動き・ずれが起こるとき、コントラストの高い線が振動して残像効果が発生するからのように、私には感じられた。
こんな技法があるのだ。

無名の人がつくった作品がほとんどであるだけに、制作年代の特定がむずかしい。そこで、染色に使われている合成染料を特定することにより、その染料が発明され使われるようになった年代と照合することで、作品の制作年代を推測する方法が解説されていた。
これは、破壊分析である。糸を数cm切り取り、染料を浸出させ、HPLCで分析して保持時間から染料の種類を決めていた。
でも、紫外部のチャートしか示されていないのに、ここのピークは赤い染料だとか書かれても、なんだかなあ、と思う。

日本の刺し子なども展示され、まずまず、見ごたえはあった。

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