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February 01, 2006

続・異体字

昨日の続きである。
t_fukuharaさん、トラックバックをありがとうございました。

あれから、さらにいろいろと考えた。

私の伯母は、名を「志げ」といった。この「志」の字は、くずした文字で書くのが正しいということであったらしい。つまり、「志る古や」「古今亭志ん生」の「志」である。
しかし、活字でものごとを表記することが一般的になるにつれ、手書きで文字を書くに際しても、きっちりペン書きで明朝体の活字風に書くことが正しいという世の中になってきた。そして、毛筆手書きの味わいを持つ異体字については、だんだんとその取り扱いに困難を生じてきたと見える。
伯母の名も、いつも活字風の字で「志げ」と表記され、本人もまた、特にこだわる風でもなかった。
戸籍には、どう書かれていたのだろう。
伯母の戸籍は、戦災で焼失している。1945年3月10日未明の東京大空襲により、本所区役所の建物と共に、焼けてしまったのである。
このときは、生存者の申告により、戸籍が再編成されている。伯母がどういう字体で申告したのか、今ではもうわからない。
それぞれの人が申し出たとおりの内容で戸籍が再びつくられたのであるから、字体が変わってしまった人も、ずいぶんいたはずである。
字体どころではない。出征中であった伯父の生年月日を、伯母は間違えて申告し、それが確定してしまった。これは、例によってもう訂正することができないものであったらしく、伯父の生年月日は亡くなるまでそのままであったようである。

話がそれた。

例えば高橋さんが、自分の名前を手書きでハシゴ高に書くのが好きであったとしても、明朝体の活字で表すときには普通の口の高で表記されることは当たり前として受容するのが普通であっただろう。数十年前までは。
こうした例は、同義の同字、表記の揺れに過ぎなかったのである。
それが、文字をコンピュータで取り扱うに際し、文字を符号化しなくてはならなくなった、そのあたりから、話がおかしくなってきたように思う。

この件で、ネット上の文書をいくつか読んで回った。その中に、一点一画違う字はすべて登録しろというのは判断停止だ、という表現があった。我が意を得たり、と感じた。

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Comments

トラックバック失礼しました。いつも拝見しています。
漢字は本当にたくさんあって難しいですよね。文字鏡はやはり便利です。差し込み印刷などに対応しないところが難点ですが、まあ、外字を作って管理するよりは楽だと思います。

Posted by: t_fukuhara | February 02, 2006 at 08:16

こんにちは。
私のところでも、今日、前期入試の合格発表がありました。氏名の異体字については、コンピュータ担当メインのNさんが、外字を5~6個つくって合格通知書を出力しました。「文字鏡」のこともちょっと話題に出したのですが、もうこの仕事はNさんの毎年のルーチンワークとなっていて、新しいことをするよりは、数個の外字をつくるほうが楽な様子でした。
そして、その生徒たちの氏名については、入学後には一般的な字形のデータとされて使われていきます。外字を使うのは入学のときだけなんです。卒業証書は、毛筆の揮毫となっています。

Posted by: aromatic Kam | February 02, 2006 at 22:57

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