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October 08, 2005

いわゆる『電磁波』と情報教室

いわゆる『電磁波』による影響について、情報科担当者として、どういう態度をとればよいのだろうか。

物理学者や化学者たちが、素人の素朴な疑問に答えると、こういうことになる。この回答者たちは、ぞんざいな口ききをしているけれど、大部分が企業や大学の現役の研究者である。
私も、基本的に、ここの回答者の人たちと同じスタンスである。
だから、情報教室のコンピュータ本体やCRTモニタ、電源やイーサネットのケーブルから輻射される程度の電磁波は、人体に有意な影響を及ぼすことは考えにくい、として良いと思っている。

しかし、その一方で、これとかこれのような印刷物もある。
この「高総検レポート」というのは、神奈川県立高校の教職員組合員に配布されている資料である。原稿検討の会議に私もいたのだが、その場でしっかり根拠をあげて反論することもできなくて、ただ、現時点でこのようなものを出すことには反対である、とだけ言った。そして、これは、そのまま印刷・配布された。
そうしたら、この内容について、ある程度の反応があったのだそうだ。反応というのは、問い合わせの電話が組合本部にかかってきた、という意味である。つまり、現場の教員でも、こういうことを心配に思っているということだ。

高総検レポート No.62に出てくる、国立環境研究所が行った調査結果というのは、これとか、あるいはより読みやすいページではこれがWebで読める内容になるのだろうと思うが、現時点で、緊急に対応が必要だという結果が出ているわけではない。疫学的調査をすると、あるレベル以上の磁界のもとでは、小児白血病のリスクが増大すると言える、というところまでである。

それに対し、こちらはやや古い文書であるが(98年)、WHOのこのページでは、現時点では高周波の電磁界がヒトの寿命を縮めたりガンを誘発したりする明確な証拠はない、としているし、また、同じくWHOのこのページには、50-60Hzの極低周波磁界への曝露がDNAを含む生体分子にダメージを与える明確な証拠はない、と書かれている。

今のところ、「子どもがガンになるかも知れないから、パソコンがたくさんある部屋で授業をしてもらっては困る」といった申し入れがあった、という話は聞かない。しかし、そういう事態に私たちが直面する可能性は十分ある。そういうときのために、ある程度の勉強はしておいた方が良いのではないか、と思っている。

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Comments

電磁波の健康影響に関心をもっている方は多いようです。
この問題は工学と、医学の学際的な領域で、奥行きもあり、巾も広いものです。
冷静に、公正に、考えるべきと思います。

Posted by: BEMSJ | November 14, 2005 at 00:37

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