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September 09, 2005

マイクを使うかどうか

授業において、マイクロフォンとアンプ・スピーカーを使うことがある。この是非について考えてみる。

ある場所で、同じ空間にいる人に話をして、ものごとを伝えようとするとき。
何より、話している言葉が聞き手に聞こえなくては、まさに話にならない。そこで、マイクを使うことはありうる。会場が広い、雑音レベルが高い、話し手の声量が小さい、といったときに、マイクは有効である。
しかし、マイクなしでも、充分に(または何とか)声が通っているときには、どうするか。
私の考えは、使わなくてすむときは、なるべく使わないようにするのが良い、というものだ。

話を音声の面からとらえると、その音量レベル速さという要素は、すぐに指摘できる。
この音量レベルであるが、これを平均値としてとらえ、その値が不足するとなったときに、マイクを使おうか、ということになるわけだ。
しかし。音量レベルは、平均値だけで考えられるものではない。話をするときは、わざと、小さな声で話すところ、大きな声を張るところをつくっている。その幅のことを、プレゼン音声のダイナミックレンジと呼ぼう。
速さの方も、同様に、一定のペースで話すのではだめで、ぺらぺらっをしゃべってしまうところ、ゆっくりと念を押すところがある。そういう要素に乏しい話は、平板で、退屈なものとなる。

肉声でのプレゼン、授業では、会場の広さ、聞いている人の人数、その様子(退屈具合、理解具合)によって、プレゼン音声のダイナミックレンジを、自在に駆使できる。
それなのに。マイクを使った途端、このプレゼン音声のダイナミックレンジは、非常に圧縮されたものとなってしまうのだ。

「噺をしていても、なかなかしっとりしたいい雰囲気にならない、それは、マイクのせいであることが多いのです。…40人くらいの会場で、マイクがセットしてあることがありますが、主催者は何を考えているのだろうかと思います。…」
上方落語の桂米朝師が、およそ上記のような内容をどこかに書いていたと記憶する。
私は、この指摘に大いに賛同する。

情報教室において、マイクを使うべきなのはどんな場面か。
私は、2つあると思っている。

  1. 教室の、長辺の端にある親機を操作しながら、説明を行うとき。声を張っても、教室の反対側の生徒までは聞こえにくい。
  2. 座っている生徒の間を歩きながら、説明を行うとき。

2つめは説明が必要かも知れない。要するに、人間の声には指向性があるということである。顔の向いている方にしか、明瞭に伝わらない。歩きながら話すと、後ろに位置する生徒にとっては、非常に聞き取りづらいものとなる。だから、私は、なるべく生徒の中を歩きながら説明することはしないようにしている。端まで歩ききってから、振り向いて、全員の方に向かって、壁(や窓)を背にして話す。それができないとき、生徒の中で話をせざるを得ない場合には、マイクは有効である。
1つめの場面においても、実際に私がマイクを使って説明を始めると、生徒はいやがることがある。先生の声なら聞こえるから、マイクなしでやってくれ、と言うのである。

マイクを使った方が良いのか良くないのか、これはもちろん、状況によって変わってくる。私の勤務校でも、1年生40人1クラスを情報教室に詰め込んでの授業のときには、私もマイクを持つ。しかし、2・3年生の選択授業で、30人程度までのときには、生徒たちの周囲を歩き回りながら、肉声で、生徒たちを包むように語りかけるスタイルの方が、効果的なようである。

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Comments

私も40人1クラスの時はマイクを使うことが多いです。
しかし説明主体の時は肉声も使います。

コンピュータを操作しながらとか、プレゼンで説明者がスクリーンの方を向くことが多いときは有効です。

Posted by: kaifu | September 09, 2005 at 23:09

そうですね。プレゼンでスクリーンを使いながら話すときというのもありました。
要するに、肉声の指向性を殺した方が良い場面で、マイクは有効だということですね。

Posted by: aromatic Kam | September 10, 2005 at 08:43

おっしゃる通りだと思います。
本校の教室は、横に長い教室の中央で説明を行うレイアウトのため、肉声では非常に聞き取りにくい場面が多々あります。着任当初は肉声で授業を行っていましたが、教育実習生の授業を聴いていた時に初めて「指向性」に気がつき、それ以来、授業ではマイクを使用しています。

Posted by: vitz3101 | September 10, 2005 at 09:54

実は、化学実験室で、このことはより深刻な問題になるのです。教壇から説明しただけでは生徒たちは実験を進行できませんので、間に入っていって、説明しながら各班一斉に進ませていくことになります。このとき、壁を背にしてしゃべらないと、私の説明が聞こえない班が出てくるのですね。実験室にはマイクがありませんし、また、危険性もありますので、気を遣います。
情報教室では、上記記事中に書いたように、効果を考えて、マイクを使ったり使わなかったりできますから、化学実験室よりも条件は良いです。

Posted by: aromatic Kam | September 10, 2005 at 23:36

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