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February 16, 2005

柴岡弘郎さんに南方熊楠賞

大阪大学名誉教授の柴岡弘郎先生が、第15回南方熊楠賞を受賞されることになった。
柴岡先生の業績については、私はほとんど何も知らない。ただ、昔、柴岡先生の講義を受講したことがあるので、今回受賞と聞いて、へえ、と思った。

1978年。大学に入り、1年生として、時間割を考えて受講登録をした。理科の教員免許を取るつもりだったので、教職単位として、生物学を取る必要があった。そして、「生理学概論」が面白そうだったので取ることにしたのだが、その前期の担当が、植物生理学の柴岡先生だった。
先生は、まず、この授業は2年生になってから取った方がいい、1年生もいるのだろうが成績は低くなるよ、とおっしゃった。私は1年生で、しかも他学科の学生であったわけだけれど、そんなことを言われても今さら時間割を変えることも考えられず、そのまま受講登録カードを出した。
講義は、これこそ大学の授業だと思わせるものだった。黒板に、植物の組織の図や学術用語がどんどん書かれていく。ほとんど英語。ただ、声は大きくなかったものの、言葉は明快で、また黒板の図も文字も読み取りやすいもので、ノートは取りやすく感じた。90分の授業で、毎回ノート6ページが埋まっていき、半年で、ほぼノート1冊となった。
前期試験問題は、たしか3題か4題が黒板に書かれ、論述の答案を書くものだった。そのうちの1題が、たしか、
「根圧の重要性について論述せよ」
というものだった。これは、引っかけ問題なのである。植物体内の水の移動は、主に葉における蒸散による陰圧で行われるのであって、エネルギーを消費する根圧がはたらくのは、葉がない、芽生えの時だとか、急に上部が切られたときだけだったはずなのである。ヘチマ水を取るためにヘチマの茎を切ると、水が出てくるまでにちょっと時間がかかるが、これは根圧で吸水するモードに切り替わるのに少し時間がかかるからだ、と、先生は講義で話されたと記憶している。
先生は、その後まもなく、大阪大学へ移られた。

高校の教員になり、専門の化学以外に生物を担当することもある。だいたい3年の生物に送られる部分に、植物生理が少しあるのだが、ここのところをしゃべるときは、今でも、柴岡先生の講義のノートを見ることがある。この講義で聞いた話の中に、その後、高校の教科書に入ってきたことがらもあったり。例えば、レタスの種子に赤色光と赤外光を繰り返し当てたときの発芽率だとか、師管を流れる液について調べるのに、アブラムシをたからせて、口が管にささったなと思ったら、口をレーザーで焼き切って、そこから液を取り出して成分を調べるのだ、だとか…。

わずか2単位分の講義を聞いただけだったけれど、受け取ったものは大きかった気がしている。

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